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Thursday, February 22, 2024

なぜ人気モデル「ミニ・クラブマン」は生産終了!? 最後の1台が英国工場から出荷 55年の歴史に幕を閉じた理由とは - au Webポータル

日本でも人気のBMWミニ「ミニ・クラブマン」の生産が終了したと発表されました。ミニ3ドアと比べ、5人乗車可能で荷物も積載できるということで評価も高かったミニ・クラブマンですが、なぜ生産終了するのでしょうか。今後新型が登場する予定はあるのでしょうか。

長い歴史を持つ人気エステートは合計110万台生産された

 BMWグループの英国ブランドMINI(ミニ)は2024年2月5日、英国・オックスフォードにあるMINI生産工場で「MINI Clubman(ミニ・クラブマン)」がロールオフ、最後の1台が生産ラインを離れたと発表しました。

 ミニ・クラブマンとはどんなクルマだったのでしょうか。そしてなぜ人気モデルが生産終了になったのでしょうか。

生産が終了したミニ「クラブマン」。リアドアの観音開き「スプリット・ドア」が特徴だ

生産が終了したミニ「クラブマン」。リアドアの観音開き「スプリット・ドア」が特徴だ

 ミニ・クラブマンは55年という長い歴史を持つモデルです。

 始まりは、ブリティッシュ モーター コーポレーション(BMC)が、オリジナルMini(ミニ)をベースにした2つのエステートバージョン、「オースティンセブン・カントリーマン」および「モーリスミニ・トラベラー」を導入した1960年に遡ります。

 独自の後部ドアを持つ両モデルは、コンパクトハッチのクラシック・ミニに実用性を提供。1967年にBMCはカーデザイナーのロイ・ヘインズのもと、これらのモデルを「ミニ・クラブマン」として統合、1969年に量産車としてデビュー、翌年には「ミニ・クラブマンエステート」もデビューしました。

 1970年代には、より強力な45馬力エンジンの導入などで進化し、10年以上にわたりこのクラスのベストセラーモデルに君臨し続け、1982年に生産が終了されるまでにおよそ60万台(19万7000台のエステートを含む)が生産されました。

 ミニ・クラブマンが復活したのはそれから25年後。2007年に、BMWミニとして第2世代となるモデルに、初のエステートタイプとして追加されました。

 全長はミニ3ドアに比べて240mm延長。リアドアは観音開きのスプリット・ドアを採用し、初代のクラシックミニ・クラブマンの印象を現代に蘇らせました。

 この代のミニ・クラブマンには、右側のみに「クラブドア」と呼ばれる観音開きのドアを採用、後席へのアクサスを容易にしていたのも特徴です。

MINI英国オックスフォード工場で生産を終了した「ミニ・クラブマン」の式典の様子

MINI英国オックスフォード工場で生産を終了した「ミニ・クラブマン」の式典の様子

 さらに2013年には、世界初となるプレミアムコンパクトデリバリーバン、「ミニ・クラブバン」が登場しました。このモデルは2名乗車で、完全にフラットな荷室を備えたモデルでした。日本でも導入されています。

 2015年にはフルモデルチェンジ、第3世代に進化しました。このモデルが現行型となり、4枚のフルサイズドアとミニ・ブランド初の8速ステップトロニックトランスミッション(8速AT)を採用、使いやすさが向上しました。最大荷室容量も1250リッターと拡大しています。

 さらに翌2016年にはブランド初の全輪駆動モデル「ミニ・クラブマンALL4」も登場しています。

なぜ生産終了? そして後継モデルはある!?

 2007年に新世代「ミニ・クラブマン」が登場してから17年、英国オックスフォード工場では55万台を超えるモデルが生産されました。クラシック・ミニ時代のミニ・クラブマンを含めると55年間で、3代、110万台が生産されたことになります。

 なぜ、そんな人気のモデルが生産終了することになったのでしょうか。

2007年、第2世代ミニに登場した「ミニ・クラブマン」

2007年、第2世代ミニに登場した「ミニ・クラブマン」

 BMWミニとして2001年に復活し、世界中で人気を博しましたが、初代ミニは3ドアおよびコンバーチブルしかなく、ユーザーからはさまざまな要望が届いたといいます。

 2006年には第2世代ミニとなり、そのタイミングでボディバリエーションを拡大。ミニ・クラブマンが復活したのはこのときでしたが、他にも「ミニ・クーペ」「ミニ・ロードスター」、そしてより大きなCセグメントの「ミニ・カントリーマン(当時日本では『ミニ・クロスオーバー』車名)、「ミニ・ペースマン」が登場しました。

 そのなかでミニ・クラブマンは、Bセグメントのミニ3ドアをベースにしたエステートモデルとして、デザインだけではなく独自のスタンスを確立していました。

 2013年に第3世代ミニに進化、ラインナップは「ミニ3ドア」「ミニ・コンバーチブル」「ミニ・クラブマン」「ミニ・クロスオーバー」に加え、「ミニ5ドア」も登場しました。

 ミニ3ドアよりも“広いミニ”を求めるユーザーにとっては、ミニ・クラブマンのほかにもミニ5ドアやミニ・クロスオーバーという選択肢が増えたことで、その立ち位置も微妙になってしまいました。

 2013年に欧州で第4世代ミニが発表されました。現在、新型ミニ3ドアと新型ミニ・カントリーマンが欧州で発表され、日本でも新型ミニ・カントリーマンは2023年11月に発表されています。

 新世代ミニのラインナップに、ミニ・クラブマンが加わる可能性はおそらくないと予想されます。

まもなく世界初公開される予定の新型ミニ「エースマン」のテスト風景

まもなく世界初公開される予定の新型ミニ「エースマン」のテスト風景

※ ※ ※

 2022年7月に発表されたスタディモデル、ミニ「コンセプト・エースマン」が、「ミニ・エースマン」という車名でまもなく登場する見込みです。

 コンセプト・エースマンは全長4050mm×全幅1990mm×全高1590mmというボディサイズで、全長4445mmの新型ミニ・カントリーマンと全長3858mm(欧州仕様)の新型ミニ3ドアの中間にあたるサイズとなっています。

 このまもなく世界初公開される予定の新型ミニ・エースマンが、従来のミニ・クラブマン、そしてミニ5ドアの後継モデルという立ち位置になると予想されます。

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