(少なくとも)当分の間、「ミニクーパー」のハッチバックからマニュアルトランスミッションが姿を消すこととなります。
ミニUSAの広報部長を務めるアンドリュー・カトラー氏はアメリカのカーメディア「Road & Track」の取材に対し、次のようにコメントを残しています。
「自動車業界は新型コロナウイルスや、ロシアによるウクライナへの侵攻の影響から資材調達に制限が生じています。『ミニ』も一時的措置として、供給の簡素化を行う必要に迫られています。それによって、マニュアルギアボックス仕様車の注文を制限しなければならなくなりました」
とは言え、「ミニ」がそのカタログからマニュアル車を外したのは、今回が初めてのことではありません。2020年にアメリカ市場でマニュアルギアボックスが復活するまで、およそ1年間の休止期間がありました。
現在のミニのマニュアル車について見てみると、愛好家からの復活の要望を受けて、2ドアと4ドアを含む7種類のモデルで6速マニュアルが復活し、パフォーマンス志向の「ジョンクーパーワークスGP」のハードトップクーペにもマニュアルトランスミッションのオプションが用意されていました。
各国の自動車メーカーが生産体制維持のために特定の車種の製造停止に踏み切らざるを得なくなった主な背景には、半導体不足の影響が挙げられます。ミニは2022年に入り、ロシアによるウクライナ侵攻の影響を受け、イギリス・オックスフォードの施設を閉鎖しています。生産台数確保のために製造ラインの簡略化が急務となったと、自動車メディア「オートカー」の取材に対してミニは閉鎖の事情を説明しています。
マニュアル車の廃止は、安定生産に向けた効果的な手段となっているのが現状です。見方を少し変えてみると…この決定によって、「オートマティックの新車に関しては、ディーラーへ届けることが可能になった」という現実がある点も見逃すべきではないでしょう。
「現時点において、一時的な措置としてマニュアルトランスミッションの供給を停止する判断をしました。サプライチェーンの状況が改善すれば、供給を再開できるものと考えています」とカトラー氏は述べています。そして最後に、「状況を注視しながら、ディーラーと顧客が新型車両の入手に困難をきたさないようにするのが、当社(ミニUSA)の方針です」とのこと。
この大惨事が、一刻も早く終息に向かうことを祈って止みません。
Source / Road & Track
Translation / Kazuki Kimura
この翻訳は抄訳です。
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