”登場するんじゃないか”と噂があがっているトヨタ「ランクルミニ(仮称)」。昨年8月に行われた新型「ランドクルーザー250シリーズ」の発表時に存在が明かされたこのクルマについて、どのような形で実現しそうなのか。考察してみました。
トヨタ新型「ランドクルーザー ミニ(仮称)」どんなクルマになる?
2023年8月にトヨタは、新型「ランドクルーザー250」を世界初披露しました。発売は2024年前半を予定しています。
その発表イベントの最後に、プレゼンを行っていたトヨタの取締役・執行役員デザイン領域統括部長のサイモン・ハンフリーズ氏は、「カーボンニュートラルへのさらなる提案や、より手に入れやすくできないか、なども考えているのです」と説明。それにあわせて、2つのクルマのシルエットがステージのメインディスプレイに映し出されました。大きなクルマと小さなクルマ。「ランドクルーザー」の未来を示唆する2台です。
この2台のうち、大きい方はすぐに正体が判明しました。発表の2か月後となる2023年10月開催の「ジャパンモビリティショー2023(JMS2023)」にて公開された「ランドクルーザーSe」でした。
全長5.1mを超える堂々たる体躯に3列シートを備えるEVです。「ランドクルーザー」の伝統のラダーフレームではなく、モノコックボディを持っていることが特徴です。
床下に電池を並べることで、ラダーフレーム同等の強度を得ているということなのでしょう。
「ランドクルーザー」は、基本的に豪華なステーションワゴン、街中で使いやすいライトデューティー、タフに使われるヘビーデューティーという3つの系統を持っています。
現行モデルでいえば、ステーションワゴンが「ランドクルーザー300シリーズ」で、ライトデューティーが「ランドクルーザープラド」と、その後継の「ランドクルーザー250シリーズ」、そしてヘビーデューティーが「ランドクルーザー70シリーズ」にあたります。
そういう目線でいえばEVである「ランドクルーザーSe」は、ステーションワゴンもしくは、ライトデューティーのどちらかになります。
全高の低いスタイリッシュさを見ると、ライトデューティーの可能性が高いかもしれません。
そうとなれば、2023年8月に示唆された“小さな未来のランクル”、言ってしまえば“ランクルミニ(仮称)”は、残りのヘビーデューティーのクルマになるはずです。シルエット的にも、コンサバなオフローダーのように見えます。
そこで気になるのが、その内容です。
改めてサイモン氏の紹介を振り返れば、「カーボンニュートラルへのさらなる提案や、より手に入れやすくできないか、なども考えているのです」とあります。“カーボンニュートラルの提案”といえばEVであり、「ランドクルーザーSe」が該当するでしょう。
そして、その上で「より手に入れやすくできないか」と考えているのが小さい方の“ランクルミニ(仮称)”であるように解釈できます。つまり、EVであり、より手に入れやすい=安価であることが推測できます。
実際シルエット的には、2022年6月にトヨタ欧州が発表した「コンパクトクルーザーEV」がそっくり。コンパクトなことで、電池の搭載量を減らして、価格を抑えることができるのではないでしょうか。
そこで気になるのは、「どの程度、“手に入りやすい価格”で登場するのか?」ということです。エンジン車である、「ランドクルーザー70シリーズ」の価格は国内で480万円です。フラッグシップの「ランドクルーザー300シリーズ」は510~800万円。そして、EVである「bZ4X」は550~650万円となります。
これらの価格を鑑みれば、“ランクルミニ(仮称)”は、エンジン車の「ランドクルーザー70シリーズ」より安いということはないはず。
かといって、「bZ4X」よりも高額であっては、とても“手に入りやすい”とは言い難いでしょう。ですから、価格は「bZ4X」に限りなく近いものになるのではないでしょうか。つまり、550~650万円といったところです。
どちらにせよ、まずはエンジン車である「ランドクルーザー250シリーズ」が登場するのが先。そして、その後に「ランドクルーザーSe」と“ランクルミニ(仮称)”の予告があるはずです。残念ながら、もう少し待つ必要があるのは間違いありません。
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