クラブマンの間接的後継EV
BMW傘下のミニは、新型EVのエースマン(Aceman)を4月24日に正式発表する。ブランド初のEV専用車として、今年後半に発売される予定だ。
新たなプロトタイプ画像とともに、仕様の一部も明らかにされている。ボディサイズは全長4075mm、全幅1754mm、全高1495mmで、2022年公開のコンセプトモデルよりもやや小さくなった。
主力のクーパーとSUVのカントリーマン(日本名:クロスオーバーに相当)の中間に位置する5ドア・クロスオーバーであり、現行車ではクラブマンに近い立ち位置となる。
最高出力183psまたは218psの電気モーターをフロントに搭載し、前輪を駆動する。同じモーターを使用するクーパーは、0-100km/h加速7.3~6.7秒(仕様により異なる)とされており、エースマンもほぼ同様のタイムを達成できるだろう。
バッテリーは40kWhと54kWhの2つの容量が用意される。クーパーの場合、WLTPサイクルでの航続距離はそれぞれ305kmと400kmである。
充電速度は最大95kW。ライバルのジープ・アベンジャーの100kWにほぼ匹敵するが、ルノー・メガーヌ(130kW)やボルボEX30(134kW以上)には及ばない。
高性能のJCWも追加予定
また、高性能モデルとしてJCW(ジョン・クーパー・ワークス)も導入予定だ。ミニの製品ライン責任者であるステファン・フロエック氏は最近の取材で、EV版のJCWについて次のように説明した。
「前輪駆動車で最も重要なのは、バッテリーを下に積むことによる低重心で、大きなメリットがあります」
「フロントとリアの重量バランスもいい。低重心と50:50の前後重量バランスという遺伝子は、ドライビング・ダイナミクスにとって好都合です」
「その一方で、重量は少し重くなっています。ドライビング・ダイナミクスを確保する上ではタイヤが問題にとなるため、直径の大きなタイヤを装着する予定です」
「あとはエンジン車と同様、ゴーカート・フィーリングを開発するだけです。そこはスペースとジオメトリーの問題ですね」
クーパーとカントリーマンでは内燃エンジン車も設定されるが、エースマンはEVのみ販売される。
「ミニらしさ」を受け継ぐ1台
プロトタイプを見る限り、2022年のコンセプトモデルのスタイルをそのまま踏襲しており、フロントには鋭角のデイタイム・ランニング・ライト、テールライトにはユニオンジャック柄が採用されている。
エースマンは5人乗りで、より実用性に重点を置いている。例えば、フロントシート間の開口部はクーパーよりも広く、小さなバッグなどを収納できるようになっている。
ダッシュボードには「市販車初」とされる円形OLEDタッチスクリーンが備わり、ほとんどの機能にアクセスできる。その下にはミニのトレードマークであるトグルスイッチが残り、ステアリングホイールにもメディア、ドライブモード、クルーズコントロール操作用のボタンが配置されている。
ミニは、クロームとレザー素材の使用を段階的に廃止する計画で、エースマンのダッシュボードにはニット生地が採用される。
エースマンの納車は年内に開始予定で、生産は当初、中国工場で行われる。2026年からは、欧州向け生産は英国のオックスフォード工場に移される予定である。
ミニのブランドCEOであるステファニー・ヴルスト氏は、次のように述べている。
「ミニは英国で生まれ、長い間親しまれてきました。わたし達は今でもオックスフォードをブランドの中心地と呼んでおり、これからも大切にしていきたいと思っています」
「ミニには非常に強い伝統があり、それが今、近代化され、未来を与えられました。その側面を感じていただけることを願っています」
エースマンについては、「このクルマには大きな可能性があると思います。最もホットな『新しさ』を持つクルマです」とした。
画像 新世代の電動クロスオーバー、ミニから登場【ミニ・エースマンのプロトタイプとコンセプトを写真で見る】 全16枚
からの記事と詳細 ( ミニ新型エースマン 全長4.0m、全幅1.7mのEV専用クロスオーバー 4月発表 - http://www.autocar.jp/ )
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