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Wednesday, February 28, 2024

【やじうまミニレビュー】 17.3型4K液晶は、ミニPCとの相性は抜群だった - PC Watch

MAGICRAVEN A2利用イメージ

 「ミニPC」ほど2023年に盛り上がったジャンルはないと個人的に思う。可搬性と設置の自由度の高さ、ノートPCよりも比較的高い性能、10万円台前後の手頃さ、周辺機器の自由度の高さなどが人気の理由だろう。かくいう筆者も今や仕事はほぼ100%ミニPCでやっている。ただミニPCを使う上で1つ気になるポイントがあった。それが「モニター」の選択である。

 ミニPCを使っているのであれば、23.8型や27型という“作業性や視認性が高く、当たり前の選択肢”はあるのだが、筆者がそもそもミニPCで仕事を始めた理由が、常に空調が効いているリビングの食卓で仕事をしたいと思ったから。そこで仕事開始の際にわざわざ大型モニターを食卓に「よっこらしょ」と載せるのは「まずない」と思った。

 すると必然的に選択肢は「モバイルモニター」に限られる。モバイルモニターなら使わない時食卓と壁の隙間にちゃちゃっと片付けられるし、持ち上げに力もいらない。PC本体からモニターへの映像信号転送も給電もUSB Type-Cケーブル1本で済むので、配線も極シンプル。設置/片付けは1分程度で、機動力が高い。

 しかしこれまで筆者手持ちの製品は、正直どれもしっくりこなかった。

  • 15.6型フルHD(1,920×1,080ドット)の「AUZAI ME16」 - スケーリング100%で比較的見やすい文字の大きさだが、情報量不足でマルチウィンドウの作業が窮屈
  • 15.6型4K(3,840×2,160ドット)の「INNOCN PU15-PRE」 - 情報量と視認性のバランスが取れるスケーリング150%で運用。ケーブル1本ではPC本体から給電ができずバッテリ利用となり、ケーブル2本が必要
  • 13.3型WQXGA(2,560×1,600ドット)の「A1 GAMUT MINI 2K」 - スケーリング100%で情報量も多いが、文字が小さめ

 これらの製品は、ノートPCのモニターを拡張する「サブモニター」として使うのであれば、そこまで文字の大きさや情報量に不自由は特にないのだが、ミニPCに接続して使う1台目の「メインモニター」ならやや力不足だったわけだ。それでも編集や執筆作業は情報量最優先なので、A1 GAMUT MINI 2Kを使っていたわけだが……。

 そんなある日、MAGICRAVENという聞き慣れないメーカーの広報担当より、4K解像度で17.3型の「A2」というモデルを紹介された。これはもしやハマるのでは? と思ってサンプルをお願いした。

13.3型、15.6型との比較。17.3型の大きさは一目瞭然

 結論から言おう。これが筆者の使い方に「ピッタリハマった」。17.3型は予想していた以上に15.6型と比較して大きく、スケーリング150%の状態でA1 GAMUT MINI 2Kに負けない十分な情報量を確保しつつ、文字の視認性も確保できるからだ。一方で機動性が高く、使う時にサッと机に載せてケーブル1本の接続して、不要時にサッと片付けられる。これならミニPCのモニターの1台目として使う分には、まったく申し分ない。

 正直、これだけでもミニPCの利用における課題を解決した、十分価値がある製品だとお分かりいただけると思うのだが、一応製品としての使い勝手も簡単に見ていこう。

 製品パッケージから取り出してまず思ったのは「厚みがありそこそこ重い」ということ。厚みは実測で12mm、重量は付属のスタンド兼ケース含まずで1,042gなのでそれもそのはずだ。とはいえ、本製品は通常サイズのHDMI入力ポートを備えているほか、75mmピッチのVESAマウントホールも備えているので、その結果このサイズになったものと思われる。据え置きがほとんどの使い方ではまず問題にならないだろう。

 本体右側面には、USB Type-C×2、HDMI、3.5mmステレオミニジャックを装備。左側面はOTG対応のMicro USBポートおよびボタン類、LEDインジケータを備える。ボタンは上から順に電源、メニュー、アップ、ダウン、バックとなっているが、形状は同じでシルク印刷が背面にあるため若干とっつきにくく、なんらかの工夫がほしかったところではある。なお、ダウンボタンを押すと直接輝度調節に入り、アップボタンを押すと直接音量調節に入るようになっている。

 ケーブル1本繋げた状態では最低輝度からスタートする。輝度調節は10段階で、最低輝度ではさすがに明るい部屋では若干暗く、3ぐらいまで引き上げる必要があるだろう。ただ、MINISFORUMの「MS-01」のUSB4ポートでは、輝度8が限界で、それ以上上げようとしたところ暗転して再起動となった。外部電源供給をすれば(当然だが)10まで引き上げられた。

 パネルはIPSで、sRGB 100%の色域、最大400cd/平方mの輝度、1,500:1のコントラスト比、HDR対応などが謳われている。また、60HzながらもAMD FreeSyncをサポートする。表面は非光沢で映り込みが少なく、視認性はかなり良いほうだ。周囲の輝度ムラが若干気になるが、オフィス用途であればまず不満はないだろう。スピーカーも内蔵しているため、ちょっとした音の確認なら別途スピーカー不要である。

 ちなみに最近は17.3型まで対応できるネック付きのモバイルモニタースタンドも増えてきており、筆者も購入したスタンドでなんら問題なく装着でき、普通の液晶モニターのように使うことができた。

筆者手持ちのスタンドに装着したところ。ちょっと小さいモニターだ

 A2の価格は4万円前後ということでモバイルモニターとしてはやや値は張る部類だが、ミニPCと組み合わせた時の使い勝手の良さには感心させられるものがある。在宅ワークで大きいモニターは設置したくないが、作業性も犠牲にしたくないというユーザーは、検討の価値は十分にあると言えるだろう。

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