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Friday, November 4, 2022

買い物難民の力に、道の駅にミニスーパー 群馬:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

 「買い物難民」になる地元住民の力になりたい――。群馬県みなかみ町新治地区にある「道の駅 たくみの里」(西坂文秀代表取締役)に10月23日、ミニスーパーがオープンした。町内にも展開するスーパーが協力し、生鮮食品や弁当などの商品を毎日並べに来るという。

 新治地区では、1989年開業のスーパー「はやしや」が8月末で廃業。高齢化が進む同地区の住民から、買い物が不自由になることを心配する声が上がり、地元区長会、町の社会福祉協議会と老人クラブから対策を求める陳情が町に出されたという。

 「たくみの里」は、美しい里山に囲まれた集落をめぐり、手づくり工房や旬の食材を扱う店などが楽しめるテーマパークで、道の駅はその拠点だ。来客の大部分は観光客だが、「コロナ禍の前から、地域に目を向け、地元の人にも利用してもらえる道の駅にしようと内部で話していた」(本多結総合企画課長)という。

 そんな折、8月に入って「はやしや」の閉店情報が入り、地元住民に寄り添おうと、道の駅が動いた。

 町内と沼田市に計4店舗を展開するサンモール(沼田市)に協力を打診。サンモールも「町内には月夜野と水上に2店舗あり、使命感がある」と快諾した。

 開設にあたり、土産物や野菜などを扱う産直市場「たくみ市場」のレイアウトを変更。売り場には、肉や魚といった生鮮品や乳製品、調味料、菓子類などの食品から、洗剤、トイレットペーパーといった生活用品に至るまで、「『ちょっと買い』のニーズも意識した売れ筋商品を並べている」(サンモール)という。弁当や総菜のコーナーも設け、毎日午前10時に担当者が陳列に訪れる。

 10月15日にプレオープンし、午前中は主に高齢者、夕方以降は仕事帰りの住民が多く利用しており、朝どれの農産物を直売所に並べに来る農家が同時に買い物もでき、好評だという。

 同16日午後に訪れた近くの女性(73)は普段、生協の宅配を利用し、地元の「はやしや」で買い足してきたが、閉店後は約8キロ離れた町内のスーパーや沼田市内まで車で出向くこともあったという。「いつか車を運転できなくなると、買い物に行けなくなる。歩いて買い物に行けるのでありがたく、みんな喜んでいます」と話した。

 「はやしや」があった新治地区中心部から道の駅までは坂が続き、高齢者が車を使わずに行き来するのは困難で、町は移動販売車の拡充などの対策も検討しているという。(加藤真太郎)

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