筆者は2009年にデルの「3008WFP」という2,560×1,600ドット(WQXGA)表示対応の液晶を購入して以来、WQXGAまたはWQHDの解像度がたいそう気に入っている。4Kほど精細ではないのだが、(Windowsにおいては)スケーリング100%でもそこそこの視認性があり、情報量が多い。ハイエンドGPUさえ買っておけば、ゲームにおいてはフレームレートや性能的に不満になることも少ない。つまり情報量、視認性、性能のバランスが取れている解像度なのだ。
特にWindowsを使っていると、フルHDでは縦の解像度が不足している印象が否めない。タスクバーを始め、アプリのタイトルバー、メニューバー、ツールバー、ステータスバーなど……あらゆる“バー”が縦解像度を食い、結果として肝心なコンテンツの表示領域が狭くなるのだ。動画とゲーム以外のほとんどのPC用コンテンツが縦で作られているのにもかかわらずである。そのため筆者はメインマシンのほとんどをWQHDかWQXGAにしている。
ARZOPAの「A1 GAMUT MINI 2K」はそんな筆者のニーズに応えたかのようなちょっとニッチな製品だ。サイズは13.3型と、筆者が普段使い慣れている16型や27型と比べると小さいのだが、ノートPCを使う距離であれば、100%のスケーリングでも十分に視認性が保たれる。フルHDの液晶と比べるまでもないが情報量は多く、仕事でマルチタスクが捗る。
WQXGAのパネルを持つノートPCとは相性抜群であり、左右や上下のどちらに並べても、画面端のマウスカーソルの移動を気にしなくてもいい。13.3型のWQXGAパネルを持つノートは筆者の手元にないため、サイズまで統一感を図ることは無理だったが、10.8型の「CHUWI MiniBook X」のサブディスプレイとしては悪くない印象だった。
また、本製品はカバー付きでも622gと比較的軽量で、カバーをつけた状態でもかなり薄いため、薄型軽量ノートと一緒に持ち運ぶのも現実的だと言えよう。なおこのカバーはスタンド兼用なのだが、角度は固定で残念ながらあまり後ろに倒せない。次期モデルでは改善を望みたいところだ。
画質はまあまあと言ったところ。鮮やかではないのだが、かと言って眠い絵というわけでもない。主な用途はやはりWQXGAの解像度を活かしたビジネススイートだと考えられるため、十分な品質だと言えよう。ちなみに入力系統はUSB Type-C×2とMini HDMIの3系統で、USB PDパススルー給電なども可能だった(どちらのポートでもOK)。
近年はノートPCの液晶を転用したモバイルディスプレイがかなり増えているのだが、WQXGAというややマイナーでありながら実用的な解像度を採用している本製品は、十分評価に値する。
ただ、本製品最大の武器は「価格」かもしれない。通常価格は2万7,999円となっているものの、多くの場合で1万9,999円で販売されているほか、執筆時点では2,000円クーポンにより1万7,999円だ。単なるモバイル液晶としても破格なのだ。タイミングによっては1万5,499円や1万3,999円で放出されることもあるため、この解像度に慣れているユーザーなら価格動向を見張っておきたい。
からの記事と詳細 ( 1万円台でWQXGA。軽くて持ち運びも容易な13.3型液晶 - PC Watch )
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