欧米で人気のオンライン学習サービスのひとつにMindvalleyがある。各分野のトップランナーが講師を務めるMasterclassの先駆けとも呼べる存在で、2002年の創設以来、1000万人以上が受講している。 【画像】「何のために生きたらいいのか分かりません」脳トレコーチに悩み相談 本連載の脳トレコーチ、ジム・クイックも速読術などのクラスを受け持っているが、今回のゲストはMindvalleyの創設者であり、ベストセラー作家であるヴィシェン・ラキアニ氏だ。世界で有数の自己啓発組織を率いる彼に、ジム・クイックが人生の目標を定める方法を直撃する。 今日のテーマはこれだ。人生の目標をどのように立てるべきか? 私たちがいつもミッションステートメントなどで耳にするように、あなたには人生のビジョンが必要であり、ビジョンがなければ滅びると言われている。 さらに、想像力が私たちの未来をどのように作り出すかについても話すつもりだが、実際、どのように行えばいいのだろうか? そして、どうすれば目標に向かって進んでいると知ることができるだろうか? これらの問いに答えてもらうために、今日は特別なゲストに来てもらった。実は今回のポッドキャストはクアラルンプールで録音している。今回は、Mindvalleyの創業者でニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー「The Code of the Extraordinary Mind」の著者であるヴィシェン・ラキアニ氏と一緒にお送りしよう。
人生の方向性をどうやって定めるか?
ジム・クイック(以下 クイック) 来てくれてありがとう。 ヴィシェン・ラキアニ(以下ラキアニ) ありがとう、ジム。私のお気に入りのポッドキャストに出演できて光栄だ。 クイック ありがとう。多くの人は知らないだろうが、彼とは一緒に活動をしてきた。リチャード・ブランソンやダライ・ラマ14世、故スティーブン・コヴィー博士などの方々とステージをともにしただけでなく、一緒に世界を旅して冒険をしてきた。アマゾンやアジアのジャングルで過ごし、ただ旅をするだけでなく、内面も探索してきた。 さらに、私たちはMindvalleyの「The superbrain」というコースで提携し、1日に文字どおり何百回もワクワクしている。人々がこのプロジェクトで経験している結果に自分がタグ付けされていることにも。 あなたの著書「The Code of the Extraordinary Mind」は、Amazonで世界ランキングで第1位に輝きましたね。1位ですよ。 ラキアニ たった数日間だけどね。昨年5~6日間ほどKindleの全カテゴリーで、売り上げが世界1位だった。だが、本の人気は変わりやすいものだから、1位になっても翌月には1000位に落ちることもある。でもKindleで1位を記録したことは光栄なことだ。 クイック すばらしい本なので、みなさんには購入し活用することを勧めたい。 さて、私たちのFacebookグループで聞かれる質問のひとつが、どうやったら目標を見つけることができるか、というものです。あなたは、世界でも有数の自己啓発、自己改革の組織を率いています。 この分野においてとても革新的なことを行っていますが、人はどのように人生のビジョンを描けばいいでしょうか? どこから始めればいいですか? 方向性を探している人々は、明確なものがない。自分に何らかの使命があるとわかっているものの、進むべき道が見えていないという状態です。 ラキアニ 確かに、人生においてビジョンは重要なものだ。ビジネスにおいては事業計画を作る習慣があるが、人生のビジョンとは人生の事業計画のようなものだ。航海の目印となる北極星のような存在であり、そのときどきに何に集中すべきかを知らせてくれる。 まずは、私が自分の人生のビジョンについて、いかにして真剣に考え始めたかを話そうと思う。ジムと同じように私はアジア人家庭で育った。アジア人の家庭は子供が世界でどのように成長するかについてこだわりがある。 私はアジアのなかでもインド人の家庭で育った。インドの文化においては、子どもが医者か起業家かエンジニアにならなければ、一家として失敗したと見なされる。だから、私は幼い頃からエンジニアになるように言われていた。 祖父にこう言われたのをよく覚えている。「ヴィシェン、お前はアメリカに行くべきだ。エンジニアか、ビル・ゲイツのようになるべきだ。大富豪になれるかもしれないから」と。 だから、私はエンジニアにならなければならないと思い、好きではないことを何年もかけて勉強した。そして、すばらしい工学部があるミシガン大学を選んだ。アメリカに渡り、ミシガン大学に入ったが、冬はマイナス40度にもなって、授業は嫌いだった。でも必死に勉強して、最終的にはマイクロソフトに就職することができた。 1998年、22歳くらいの私は、ワシントン州レドモンドにあるマイクロソフトで働いていた。夢がかなったのだ。ビル・ゲイツの自宅に招かれて、握手したことを覚えている。でも、そのときに気がついた。自分の人生や、自分がやっていることが嫌いだと。マイクロソフトは素晴らしい会社だし、ビル・ゲイツは偉大な人物だった。でも私はとても惨めな気分で、仕事に行くのが嫌だった。だから、11週間で退職した。 自ら退職したわけはない。辞めることにも臆病だったので、クビになるように仕向けた。辞めるということは、両親に私がコンピュータ・エンジニアリングの学位を取るためにかき集めてくれた数十万ドルがムダになると伝えることを意味するからだ。私はみずから解雇され、マイクロソフトを振り返ることはなかった。 その時点の私は一文なしで、ニューヨークの非営利団体に貧困所得以下で加わることになった。そのとき、自分の人生をしっかりと見つめ直し、人生のビジョンを作り始めないといけないと悟った。 すると、こんなことがあった。オプラの番組を見ると、ジム・キャリーが出演していた。ジム・キャリーは、かつて一文なしだったときのすばらしい話をしていた。当時の彼は車で寝泊まりし、もうこんな生活はしたくないと思っていたそうだ。彼はコメディアンであり、ご存知のとおり、コメディアンや俳優というのは大変な仕事だ。ウエイターをしながら、常にどうやって次の小切手をもらおうかと考えている。 そこでジムは簡単なエクササイズを行ったという。自分宛てに小切手を書いたのだ。いつも使っている小切手帳から1枚を取り出し、「ジム・キャリーへ、2000万ドル」と書いて、財布に入れて持ち歩いたんだ。 それから2年が過ぎた1994年のこと、面白いことが起きた。当時、「サタデーナイト・ライブ」スタイルのバラエティ番組「イン・リビングカラー」に出演していたジム・キャリーが大ブレイクしたのだ。その後、「エース・ベンチュラ」という小規模映画に出演料70万ドルで出演し、この作品が全米興行第1位を記録した。 次は、「ジム・キャリーはMr.ダマー」という別の映画に、再度70万ドルのギャラでオファーされた。しかしすでに「エース・ベンチュラ」が1位を記録していたので、より高いギャラを要求できるようになっていた。結局「ジム・キャリーはMr.ダマー」でにおいて、700万ドルのギャラを手にすることになった。 次は「マスク」で、この作品でも数百万ドルの報酬を得た。この3本の映画がすべて1位を獲得し、1994年の1年間で、1位となった3本の作品に出演した世界初の俳優となった。その翌年か、翌々年に「ケーブルガイ」という映画のオファーを受け、その映画で受け取った小切手は2000万ドルだった。彼が毎日財布に入れていた小切手と同じ額の小切手が、彼の元にやってきたのだ。実際「ケーブルガイ」出演時、彼は出演料を2000万ドルの小切手で受け取っている。 ジム・キャリーがオプラとのインタビューで語っていたことを、私は考えた。ジム・キャリーは何かがきっと起きると信じ、その現実を頭の中で作り上げていた。私がこのインタビューを見たのは、1999年のことだった。刺激を受けた私は、小切手を書くことにした。当時ミシガン州アナーバーに住んでいた私は、小切手にこう書いた。「ヴィシェン・ラキアニより世界宛てに10億ドル」。小切手の日付はその日から50年後の2049年5月とし、財布に入れて持ち歩くことにした。 成長過程において私の世代は、ジム(・キャリー)と違って貧しくはなかったので、私自身にとってお金はあまり重要ではない。でも、10億ドルの価値を世界に提供できるような人生を送りたいと思ったんだ。 卒業から50年後の2049年5月に、10億ドルの価値を世界に提供できるようになるなら、私はさらに世界中で多くの良い行いをする必要があるだろう。自分のためにお金を蓄えなければならないし、与えることでより良い人生を生きなければならない。でも、とにかく私が最初に行ったのは、小切手を書くことだった。 すると妙なことが起きた。それからの人生で何度も失敗を経験した。最初の会社を失い、2番目の会社も失い、マイクロソフトを解雇され、ニューヨークの非営利団体で、貧困所得以下で働いた。でも、失敗をするたびに、私は前よりも強くなって立ち直った。そして、ひとつのアイデアが別のアイデアにつながり、さらに別のアイデアへとつながっていった。そして今はMindvalleyがある。 2049年まではまだまだ長い道のりだ。急いできたわけではないが、私が築いてきた人生は世界に多くの価値を与えることができている。さらに、数百人の生徒たち、300人の従業員、個人の成長や自己改革を支援する企業やフェスティバル、我々が次々と立ち上げているアプリなども同様だ。私は大きな幸運に恵まれていると感じている。しかし私を前進させたのは私のビジョン、唯一無二の巨大な北極星である、「2049年5月までに10億ドルの価値を世界に届けたい」という思いだ。 これが私のストーリーだ。みなさんはこの話の教訓として、自分の小切手を作り、それを財布に入れて持ち歩けばいい。ジム(・キャリー)には効果があり、私にも効果があるようなので、あなたにも効くかもしれない。
からの記事と詳細 ( 人生の目標を見つけるために「3つの最も重要な質問」を自問しよう(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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