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Thursday, June 3, 2021

藤井聡太二冠、敗れる 順位戦の連勝記録22でストップ - 朝日新聞デジタル

佐藤圭司

 将棋の藤井聡太二冠(18)=王位、棋聖=が3日、大阪市福島区関西将棋会館で第80期名人戦・B級1組順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の2回戦に臨み、稲葉陽(あきら)八段(32)に敗れた。今期B級1組での成績は1勝1敗となった。名人への挑戦権を争うA級への昇級を目指し、残り10局の戦いに注目が集まりそうだ。順位戦の連勝記録は歴代単独2位の22で止まった。1位は森内俊之九段(50)の26連勝。

 藤井二冠が順位戦で敗れたのは、2019年2月5日の第77期C級1組順位戦の対近藤誠也七段(24)=当時は五段=戦以来で、2敗目。藤井二冠の順位戦での通算成績は40勝2敗となった。

 両者得意の「角換わり腰掛け銀」の戦型から熱戦となり、先手の稲葉八段が165手で勝った。終局は翌4日午前1時9分だった。両者とも持ち時間の6時間をほぼ使い切り、1分未満で着手しなくてはならない「1分将棋」となった。今期B級1組での成績は勝った稲葉八段も敗れた藤井二冠も1勝1敗となった。

 終局後、勝った稲葉八段は「相手(の藤井二冠)が強いのは分かっているので、自分の力を出し切るしかないと思っていた。(強敵相手に)熱戦を指せたのは次につながると思う」、敗れた藤井二冠は「(稲葉八段の71手目)▲6六歩がこちらの予想に無い手で、どういう方針で指せばいいか分からなくなってしまった気がした。あまり勝機の無い将棋になってしまったかなと思っていた。最初の長考(72手目△4三玉に112分考えた)で正しい方向に進めなかったのが悔やまれる気がします。B級1組は手強い相手ばかりなので、その中で自分の力が足りないところもあるのかな、という印象です。(残り10局あって)先は長いと思うので、これからも次の一局に全力を注げるようにしたいなと思います」と話した。

 藤井二冠の次の対局は6日、千葉県木更津市での第92期棋聖戦五番勝負第1局。藤井二冠にとって初めてのタイトル防衛戦で、渡辺明名人(37)=棋王、王将と合わせ三冠=の挑戦を受ける。前期棋聖戦五番勝負は渡辺棋聖に藤井挑戦者が挑み、3勝1敗で藤井新棋聖が誕生した。今期は立場を変え、同じ顔合わせでの五番勝負となる。

 名人戦の予選にあたる順位戦は5クラスに分かれている。実力トップ10のA級棋士10人が総当たりで名人挑戦権を争う「A級」が最上位で、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組と連なる。プロ入りした棋士は基本的にC級2組からスタート。昇級を重ね、名人を目指す仕組みだ。

 A級に次ぐ「B級1組」は13人が所属。総当たりでそれぞれ12局指し、上位2人がA級に昇級し、下位3人はB級2組に降級する。B級1組にはA級経験者や、B級2組から昇級してきた精鋭ら、実力者が集結するため、「鬼のすみか」の異名がある。(佐藤圭司)

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