パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、米経済は改善しつつあるが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響から完全に回復するには長い道のりを要するとの見解を示した。
22日に予定している下院金融委員会での証言テキストが公表された。それによると、パウエル議長は「多くの経済指標が著しい改善を示している」と述べる。
その上で、「雇用と全般的な経済活動はいずれもパンデミック前の水準を大きく下回ったままで、先行きは引き続き極めて不透明だ」との認識を示す。
パウエル議長とムニューシン財務長官は、3月に議会で可決された「コロナウイルス支援・救済・経済安全保障(CARES)法」で義務付けられている四半期に一度の議会証言を行う。
証言テキストによると、同議長はパンデミックによる経済への長期的なダメージを回避するには財政、金融両面でさらなる政策対応が必要になるとの見解をあらためて示し、「先行きはコロナウイルスの抑制、政府のあらゆるレベルでの政策措置にかかっている」と述べる。
パウエル議長はさらに、FRBの中小企業支援プログラム「メインストリート貸し付けプログラム(MSLP)」の 利用が広がっていないことを巡る質問を想定しているもようだ。
同議長は同プログラムに調整を施すことでフィードバックに対応してきたと述べる一方、「メインストリート貸し付けは一部の事業者にとっては正しい解決策ではないかもしれない。これらの貸し付けは帳消しにできないと、CARES法が明確に規定していることもあるためだ」と指摘する。
原題: Fed’s Powell Says U.S. Economy Faces Long, Uncertain Recovery(抜粋)
(証言テキストの内容を追加して更新します)
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