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Monday, March 2, 2020

ザガートとポルシェを結ぶ重要な一台 美しきクーペの価格は? - マイナビニュース

ザガートとポルシェを結ぶ重要な一台│美しきクーペの価格は?

この記事は『なぜ9台のみ製造されたのか?│ザガートが手がけたユニークなポルシェ』の続きです。 

ローへの訪問中に私たちは、最終的な仕上げ作業のためにファクトリーに残っている2台のスピードスターを見つけた。しかし、私たちが訪問したのは、まったく新しいクルマ、つまり、新しい「サンクションⅡ」のプロトタイプであるポルシェ356カレラ・ザガートのクローズドバージョンが目当てだった。
 
アンドレアは次のように説明した。「スピードスターの調査中に私たちは、今まで見たこともないクローズドバージョンの図面を保管庫の中で見つけたました。このクーペは、ストーレズ・スピードスターと、その後のポルシェ356アバルトGTLクーペの間を結ぶリンクであり、とても重要なのです」


 
イタリア人のスペシャリストたちが、前回のモデルと同じグリッドシステムを使用して、そのクーペの図面をスキャンした。大がかりなコンピュータ処理の後、CNCマシンを使用して車体の原型が切り出された。その後、ボディのスペシャリストが、この原型を利用し、軽量アルミニウムの塊から新しいボディを成形した。非常にエアロダイナミックなフォームであるだけでなく、軽合金の使用は当時のザガートモデルの成功にとって重要な要素だった。「1950年代から60年代にかけて、月曜日の新聞は、週末にザガートがレースで勝利した記事で埋め尽くされていましたよ。軽量構造と空気力学的な設計により、パワーの小さいエンジンのクルマでも、レースで勝てたのです」とアンドレは話す。
 
私たちは「警告。出入り禁止」という看板が掲げられているドアの向こうを覗いてみたくなった。その瞬間、アンドレCEOが、小さな展示室に私たちを招待し、ザガートの最新のサンクションⅡのマスマティカル・マスターを見せてくれた。古いスピードスターの写真の上にグリッドを書き込んであるものと、ないものを比較して見ると、唯一存在するクーペの図面だということだけでなく、すぐにあることに気づいた。リアに向かってなだらかに流れるルーフラインと視覚的な重心の中心がさらに後退したことにより、デザインはさらに安定し、より完成度が高く見える。「ルーフが大きな違いを生むことは、一見して明らかなことです」とアンドレア・ザガートはまとめた。


 
数分後、私たちは新しいポルシェ356カレラ・クーペ・ザガートを初めて目の当たりにした。モーターショーで、新型車の発表会に立ち会ったような感覚だ。メカニック達が、未だにそのクルマの最後の細部について手直しをしているが、彼ら以外に最終的な仕上がりを目にするのは、初の取材誌である私たちだけだ。ザガートは、その日の午後、2人の"潜在顧客"も招待し、佳き時代から蘇ったこの素晴らしい過去の遺物の初お目見えに立ち会わせた。「私たちは、このモデルも9台復元しますが、その多くは売約済みです」と、ザガートは微笑んだ。
 
そのクーペは、ベースとなったクルマよりもはるかにスレンダーで、外観からしても軽い印象を受ける。「このクルマを設計した父のエリオにとって、フロントエンドは特に重要だったのです。特にこの低めのフロントを作り出すために、このベースとなったクルマでは、垂直に置かれているスペアホイールを移動して水平に配置して、ボディをさらに浅くしています」とアンドレアは説明した。

 
丸みを帯びたフロントは、わずかに突き出たフェンダーと一体になったヘッドライトと、その下部にある外気のインレットで占められている。プラスチックカバーの後ろのヘッドライトは、少し奥にオフセットされ、スタイリッシュになっている。車高は137㎜下げられ1190㎜しかなく、このショートクーペを、実際よりも細身で長く見せている。実際の356クーペ・ザガートは全長3880㎜で、スタンダードな356Bよりも128㎜も短くなっている。
 
サイドビューでは、クーペとスピードスターの両方とも、助手席のドアの後部に向かってわずかに下がった後に、再び上昇し、後輪をほぼ覆うような人目を引くショルダーラインを持っている。リアウィンドウの下端が、リアフェンダーラインと同じ曲線を描いている一方で、ウインドウの面は、より長く、より低くなっている。繊細なドアハンドルは、ザガートの遊び心を特に活かしたディテールである。その部分を押し込むと、プルハンドルが飛び出てくる仕組みである。
 
後部のボディラインは、バンパーレスのリヤエンドへとなだらかに下降しており、アメリカのファストバックにそっくりだ。センターに配置されたシングルエグゾーストから、スタンダードな1.5リッターのカレラ・エンジンがリヤエンドにあることがわかる。また、2個に分かれたグリルから、ポルシェのデザインであることが明らかだ。やや平凡な正方形のリアライトだけは、オリジナルのクルマの製作時に、ポルシェ社も時には入手可能な部品で間に合わせる必要があったことを連想させる。


 
インテリアは質実剛健な356スタイルだが、必要最低限のものだけに絞り込むことで、より魅力的になった。3本スポークのウッドリム・ナルディ・ステアリングの背後には、オール金属製のダッシュボードがあり、ポルシェの伝統的な緑のレタリングを持つ3個の大きなメーターが備わる。左には、燃料と油温を示すコンビネーションメーターがあり、スピードメーターが中央に、タコメータは右端だ。エンジンスタートには、ドライバーの右側のキーをひねるだけでいい。ブラックのレザーシートを縁取る白いパイピングが、唯一の遊び心のあるスタイリング要素である。
 
どうしても知っておかなくてはならないが、質問したくなかったのが、その価格についてだった。アンドレア・ザガートは、典型的なイタリア人の気安さを持って答えた。「現存の1959年製の356Bをレストアする場合、最低でも約10万ユーロ程度はかかります。クーペ・ザガートへのコンバージョンのための費用は、すべては顧客の要望次第ですが、費やした時間を考慮すると、追加で30万ユーロが必要となるでしょう」
 
極めて希少な356ヴァリアントの最近のオークション価格を考慮すると、ポルシェ356カレラ・クーペ・ザガートの買い手にとっては、妥当な投資と言えるのではないだろうか。

本記事は「ClassicPORSCHE」から提供を受けております。著作権は提供各社に帰属します。

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March 02, 2020 at 07:24PM
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