BMWジャパンは2020年2月12日、新型ミニ ジョンクーパーワークス GPを日本で初披露した。すでに19年11月より予約受注を受けていて、限定台数は世界で3000台。そのうち日本には240台が販売される。価格は576万円。
何よりもインパクトがあるエアロパーツ満載のボディ、これこそがこのGPのハイライトだろう。17年のジュネーブショーで公開されたGPコンセプトをそのまま発売したようなデザインは、ミニのマーケティング担当もさすがに驚いたらしい。
まずは1番目を引く前後のワイドフェンダーを見てみると、異様な形状に驚く。サーキットで好タイムを出すために追求されたその形は、フェンダーの端とボディの間に溝を設けた構造。最近のレーシングカーやラリーカーにも見られるトレンドでもあり、フェンダーの端は清流フィンのような薄い形状になっているのが特徴的だ。当然エアロダイナミクスにも影響するが、ベース車のJCWより2cmワイドなタイヤを履くためでもある。見てもわかるとおり、素材はカーボンファイバーだ。
そしてもう一つ異様な大きさのパーツが、ルーフ後端のウイングだ。左右2分割の凝った構造で当然ダウンフォースを発生させる目的ではあるが、その大きさはひと目でGPだとわかるもの。このウイングとフェンダーを見ると、現在WRCを走るワールドラリーカーも彷彿させる。かつてラリーで活躍した栄光を忘れずに、モータースポーツのエッセンスを取り入れているところが、いかにもミニらしい。
発表会場ではラリーの過去の勝利も当然語られたが、一方でサーキットでの走行性能もアピールしていた。ニュルブルクリンクのラップタイムは、なんと8分切りの7分56秒69。もうBセグメントのスポーティなコンパクトカーではなく、ピュアスポーツカーの領域である。その速さを生み出すのが、ベース車JCWに搭載されるエンジンをベースに改良された、2リットルの4気筒ターボだ。そのスペックは、最高出力305馬力(ベース比75馬力アップ)/最大トルク450Nm。これに8速ATとトルセンLSDが組み合わされ、0→100km/hは5.2秒、最高速度は265km/hという速さを実現している。
ちょうど、日本では同サイズのスポーツカー「トヨタ GRヤリス」が発表され話題になったばかり。スペックは少々異なるが(GRヤリスは270馬力/370Nmで4WD)、サイズが似ていてどちらもスペシャルなモデルであることには変わりない。ホモロゲマシンと一緒にするのもおかしいかもしれないが、史上最速のBセグメントはどちらなのだろう? この2台の対決もおもしろそうだ。
<文&写真=driver@web編集部・青山>
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February 14, 2020 at 04:37PM
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