コンパクトかつカジュアルな見た目が人気を博すBMWの「ミニ」ブランドですが、かつてそんなミニに極めて高級な内装を誂えたモデルがありました。一体どのようなモデルだったのでしょうか。
「小さな“最高級車”」!? 今後貴重な存在になるかも…
2代目のBMW「ミニ」に、かのロールス・ロイスとのコラボレーションによって生まれた「超高級モデル」が存在しました。
ロールス・ロイスが手がけた豪華な内装とは、どのようなものだったのでしょうか。
小型車に豪華な内装を与えた「小さな高級車」は古くからあり、バンデンプラ「プリンセス」、ルノー「5(サンク) バカラ」などがその代表例にあげられます。
近年では、国産車でもマツダ「ベリーサ」、日産「ノート オーラ」など上質な内装を持つコンパクトカーが登場。レクサス「LBX」といった、コンパクトな高級SUVも出現して、「小さな高級車」はごくふつうに市場で受け入れられるようになりました。
しかし、2011年に発表されたBMW「ミニ インスパイアード バイ グッドウッド(MINI INSPIRED BY GOODWOOD・以下ミニIBGW)」は別格といえる一台。
「贅を尽くした小さな高級車」ともいえるこのクルマは、なんと世界トップクラスの高級車メーカーのロールス・ロイスが手がけていたのです。
車名にロールス・ロイスの名は冠していませんが、ロールスロイス・モーターカーズの本社がある地・英国グッドウッドが、ロールス・ロイスとのコラボレーションを示していました。
ミニIBGWは、1996年から2013年まで販売されたBMWの2代目「ミニ クーパーS」(R56型)がベース。
ボディサイズは全長3745mm×全幅1685mm×全高1430mmです。
ロールス・ロイスのチーフインテリアデザイナーであるアラン・シェパード氏が各部のデザインを仕上げており、中でも贅を尽くしたラグジュアリーなインテリアは、大きな話題を呼びました。
インテリアの基本デザインはミニのままでしたが、世界観はまさにロールス・ロイス。
シートやダッシュボード、ドア内張りにはロールス・ロイス特有の明るい「コーンシルク・ベージュ」レザーがふんだんに使われ、眼前に広がるウッドパネルも、ロールス・ロイス専用の職人仕上げの「ウォールナット・インレイ」を採用。
天井はカシミア、フロアマットには毛足の長いロールス・ロイス専用のウール素材を用いたほか、速度計とタコメーターの書体をロールス・ロイスのフォント(書体)に変更するなど、細かい部位にもこだわりが見られました。
外装では、ボディカラーにロールス・ロイス専用である「ダイヤモンドブラックメタリック」を選択。
足元はマルチスポークデザインの17インチアルミホイールで引き締められ、フロントフェンダーサイドには「MINI INSPIRED BY GOODWOOD」のエンブレムを配していました。
さらにボンネットは、1.6リッターターボエンジンを搭載したスポーティなベース車のクーパーSが本来備えているはずのエアスクープ付きではなく、ディーゼルエンジンの標準車である「クーパーD」用のなめらかなボンネットに変更されており、外観の上品さを引き立てていました。
ミニIBGWは世界限定1000台のみの販売でしたが、2012年には日本でも正規輸入が実施され、570万円で販売されました。
2012年4月時点でクーパーSの販売価格は316万円でしたので、その価格差はなんと約1.8倍。
しかし、ロールス・ロイスの豪華な内装が570万円で手に入れられたこと、それがミニという日常での使い勝手に優れたコンパクトカーに備わっていたことを考えると、価値が高いクルマだったのではないでしょうか。
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現在、IBGWを手にいれるすべは中古車しかありませんが、気になるのはその流通台数と価格。
2024年4月下旬現在、中古車検索サイトによると掲載台数は6台、価格は応談もしくは480~738万円で、ほとんどが新車価格よりも高額となっていました。
クルマの性格上、極端に程度が悪いということは考えにくいですが、発売から12年が経過しており、今後も台数の減少が見込まれます。欲しいと思った場合は、早めの行動をオススメします。
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