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Sunday, April 14, 2024

大きくなっても“ミニらしさ”健在? 新型「ミニ・カントリーマン」公道での印象は? キャラ立ちしたデザインと操作系 ... - carview!

世界共通の名称となった3代目「ミニ・カントリーマン」

 日本ではこれまで「ミニ・クロスオーバー」の名で親しまれてきた正式名称「ミニ・カントリーマン」が、通算3代目のモデルとなる新型から日本でも世界共通の車名で販売されることになりました。

【画像】「えっ!…」これが“ミニ史上最大のSUV”新型「ミニ・カントリーマン」です(55枚)

 新型のキャッチコピー「ミニ史上最大のSUV」には思わず吹き出してしまうところですが、実際にボディサイズは先代より130mm長く、25mm広く、そして65mm高い全長4445mm、全幅1845mm、全高1660mmと、もはやミニとは呼びがたいレベルにまで達しています。

 先日、日本でのお披露目に際して来日していた、ミニのデザイン部門責任者であるオリバー・ハイルマー氏によれば、「ミニ・カントリーマン」のユーザーは世界的にこれ1台ですべてをまかなっているファミリー層が多く、より広い室内や荷室を求める声が多かったのだといいます。

 ラインナップの中核に、まさしく“ミニ”サイズのハッチバックである「ミニ・クーパー」を設定しているからこそ、ファミリーの中には大きいクルマがあってもいい……。最終的にはそう考えてゴーサインを出したそうです。

 そのデザインも大胆です。ヘッドライトは先代よりさらに角張っており、全体のフォルムも縦のラインを強調したということでスクエアな印象。丸い目玉にやわらかい面という、これまでのミニのイメージとはあえて違ったテイストで仕立てられています。

 では、“ミニらしさ”とは一体なんなのか? といえば、コンセプトは“ミニ”マリズムだそうです。フレームで囲んだグリル、ユニオンジャックを象ったテールランプなどの特徴的なディテールを残して、あとの余計な装飾は削ぎ落とす。それによってかえってミニらしさを強く浮かび上がらせようという考えです。

 果たして皆さんは、どう思われるでしょうか? 正直、最初は違和感を覚えていた私(島下泰久)ですが、見れば見るほど「とはいえ、やっぱりコレはミニ以外の何者でもないよな」と感じているのでした。

●コックピット中央の円形ディスプレイは“クラシックミニ”のよう

 新型「ミニ・カントリーマン」は、そのインテリアもやはりミニマル。“クラシックミニ”さながらに、ダッシュボート中央に置かれた直径240mmの円形有機ELディスプレイに多くの表示、操作系を集約して、その周囲はすっきりと仕立てています。

 昔と異なるのは、デジタル化による映像や音の演出により、使うだけでも楽しい操作系にしていること。そして、布地のような質感のリサイクル材によって、室内にぬくもり感をもたらしていることでしょうか。

ちょっと過剰だけどミニらしくて楽しい「JCW ALL4」

 ポルトガルはリスボンで開催された国際試乗会。会場には、お馴染みホットバージョンの「JCW(ジョンクーパーワークス)ALL4」と、初設定のBEV(電気自動車)版「SE ALL4」の2グレードが用意されていました。

 まずは「JCW ALL4」から紹介していきましょう。その心臓は最高出力316ps、最大トルク400Nmを発生する2リッター直列4気筒ターボユニットで、7速DCT(デュアルクラッチ式AT)と組み合わされます。

 事前に想像したとおり、走りは俊敏。アクセル操作に即応するレスポンスのよさに、思わず気分が弾みます。

 さらに、センターコンソールにある「EXPERIENCE」と書かれたトグルスイッチで「GO KART」モードを選べば、サウンドもレスポンスも一層元気に。ちょっと過剰なくらいなのが、ミニらしくて楽しいところです。

 さらに、左側のパドルを長引きすると起動する、一定時間フルブーストでの加速を楽しめる「BOOST」モードなど、遊びゴコロがまさに満載。走っていて飽きが来ることがありません。

 フットワークも痛快です。操舵と同時に、ほとんどロール感なしに向きが変わる走りは、まさしくゴーカート。とはいえ、昔のそれよりは過敏なところが薄まり、正確なレスポンスが光ります。

 電子制御ダンパーつきとはいえ乗り心地は硬めですが、それもまたミニらしい雰囲気につながっています。

●BEVらしい静かでなめらか&力強い走りの「SE ALL4」

 続いては「SE ALL4」。前後2モーターを搭載しており、システム最高出力は306ps、最大トルクは494Nmと、そのスペックは強力です。

 床下に搭載されるバッテリーは、容量66.45kWh。一充電走行距離は433kmとされています。

 静かでなめらか、そして力強い走りはいかにもBEV。何しろ0-100km/h加速は5.6秒と、かなりの俊足です。

 また、前後重量バランスに優れ、重心も低いため、フットワークも軽快そのもの。コーナーによっては、「JCW ALL4」以上かも、というくらいニュートラルなコーナリングを楽しめるのです。

 しかも、こちらも「EXPERIENCE」スイッチで走行モードを切り替えれば、それぞれ違ったビジュアルや効果音、加速時のサウンドによって走りをさまざまに演出してくれます。他のクルマだとおもちゃっぽく思えるかもしれませんが、これはミニ。理屈抜きで楽しめてしまうのは、まさにキャラ得ですよね。

* * *

 そのサイズもデザインも、きっと最初はミニらしくないと感じる人、少なくないでしょう。

 ですが、実際につき合ってみると、キャラクターの立ったデザインも操作するだけで喜びになる室内も、そして単なる移動すら楽しい時間に変える走りも、ちゃんとミニ。ユーザーが求めた広い室内や荷室も、しっかり備えています。それが新型「ミニ・カントリーマン」を試してみての偽らざる実感です。

 そろそろ日本の路上で見かける機会も増えてくるはず。見慣れた日本の景色に、その姿がどのように溶け込むか、確かめるのが今から楽しみです。

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