Ryzen 7で8コア/16スレッド、メモリ32GB、ストレージ512GBを詰め込んだNUCタイプ!
Beelinkは聞きなれないメーカーだが、Amazonを見るとNUCタイプのデスクトップPCが多く、ハイエンドだけでなく、ローエンドも結構揃っている。黒い筐体に赤い電源ボタンが印象的だ。
今回ご紹介するシリーズはプロセッサ違いで「SER4」、「GTR4」、「GTR5」と3タイプ用意されている。メモリ32GB、ストレージ512GBは同じだが、プロセッサは順にRyzen 7 4800U、Ryzen 9 4900HX、Ryzen 9 5900HXを搭載。
全て8コア16スレッド。ただしアーキテクチャはZen 2/Zen 2/Zen 3となる。また筐体はSER4とGTR4/GTR5で2種類あるようだ。価格は8万8,800円/10万5,000円/11万8,000円。パワーの違いがそのまま価格差になっている。手元に届いたのはこの中で一番安価なSER4となる。主な仕様は以下の通り。
Beelink「SER4」の仕様 | |
---|---|
プロセッサ | Ryzen 7 4800U(8コア16スレッド/1.8~4.2GHz/キャッシュ 4MB, 8MB/cTDP 10-25W/TDP 15W) |
メモリ | 32GB(DDR4 16GB×2) |
ストレージ | NVMe SSD 512GB |
OS | Windows 11 Pro(21H2) |
グラフィックス | AMD Radeon Graphics(8コア)/HDMI 2.0×2、Type-C |
ネットワーク | Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.0 |
インターフェイス | USB 2.0 Type-A×1、USB 3.0 Type-A×3、USB 3.0 Type-C、音声入出力 |
そのほか | 2.5インチベイ、VESAマウンタ、ACアダプタ |
サイズ/重量 | 126×113×40mm(幅×奥行き×高さ)/1.05kg(パッケージ込み) |
価格 | 8万8,800円(Amazon) |
プロセッサはRyzen 7 4800U。8コア16スレッドでクロックは1.8から4.2GHz。キャッシュはL2 4MB/L3 8MB。cTDP 10-25W/TDP 15W。2020/1/6リリースで、アーキテクチャはZen 2。ちょっと古く、Zen 3が欲しいのであれば最上位のGTR5となる。
メモリはDDR4 16GB×2の計32GBと初めから大盛り。ストレージはNVMe SSD 512GB。OSはWindows 11 Proを搭載。21H2だったので、その範囲でWindows Updateを適応し評価した。
グラフィックスは、プロセッサ内蔵AMD Radeon Graphics(8コア)。外部出力用にHDMI 2.0×2とType-Cを備えている。
ネットワークは、Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.0。そのほかのインターフェイスは、USB 2.0 Type-A×1、USB 3.0 Type-A×3、USB 3.0 Type-C、音声入出。
サイズは126×113×40mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1.05kgとなっているが、これはパッケージ込みで、本体のみだと実測で491gだった。筐体に2.5インチベイが1つあり、SSDを1台増設可能だ。電源のACアダプタに加え、VESAマウンタも付属する。価格は8万8,800円(Amazon)。8C/16TのRyzen 7/32GB/512GBなので妥当なところか。
筐体はiPhone 13 Proとの比較からも分かるようにかなりコンパクトだ。黒ベースで電源ボタンや側面のメッシュなどが赤のワンポイント。なかなかカッコいい。重量は実測で491g。ACアダプタの220gと合わせても十分軽く、行く先々にモニターとキーボード/マウスがあれば、カバンに入れて持ち運びも容易だ。
前面にCMOSクリア、Type-A(3.0)×2、Type-C(3.0)、3.5mmジャック、電源ボタン。リアにEthernet、Type-A(3.0)、Type-A(2.0)、HDMI×2、電源入力を配置。裏蓋はネジ4本で簡単に外れ、ストレージやメモリにアクセスできる。内部は、16GB×2、M.2 SSD、そして裏蓋の裏に2.5インチベイ(コネクタ/ケーブル付き)がありメンテナンスも容易だ。
BIOSはブート時、[Del]キーで表示、[F7]キーで起動オプション。ちょっとしたことだが、これが裏蓋に書かれており(写真上側)、「何だっけ?」と思った時に見れば済むようになっている。いつものキーボード付きモバイルモニターには、Type-C/Type-Cケーブル1本で接続OKだった。
付属品は長いHDMIケーブル、短いHDMIケーブル、VESAマウンタ、ACアダプタ(サイズ約98×50×33mm、重量220g、出力19V/3A)。VESAマウンタは本体が小型で軽いこともあり、片側だけで付ける仕様だ。
ノイズに関しては、ベンチマークテストなど負荷をかけて耳を筐体につけると気持ち聞こえる程度と静か。発熱もちょっと暖かいエアーが出る程度で大したことはなく、サイズを考えると優秀だろう。
BeelinkのPCは、今回初めて触ったが、パッケージも含めそつなく作られており、写真には掲載していないものの、付属のマニュアルには日本語ページも用意されている。ミニPC好きは覚えていて損のないメーカーという印象だ。
筐体サイズの割にハイパワー!
8C/16TのRyzen 7 4800U、メモリ32GB、SSDなので、何をしてもキビキビ動く。これがこのサイズで収まるのだから、良い時代になったものだ。初期起動時、特にインストール済みのアプリはなく、Windows 11標準のまま。壁紙などのカスタマイズもない。
ストレージは512GB SSDの「Intel SSDPEKNW512GB」。仕様によると、シーケンシャルリード1,500MB/s、ライト1,000 MB/s。CrystalDiskMarkのスコアも概ね出ている。C:ドライブのみの1パーティションで約474GBが割り当てられ空き435GB。
Wi-FiとBluetoothはAMDのRZ608が使われている。この連載で扱ったPCとしては(後述するTH50も同じだったが)珍しいデバイスだろうか。GbEはRealtek製だ。
ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R23、CrystalDiskMarkを使用した。参考までに少し前に記事にしたIntel Core i5-11320H(4C/8T)搭載MINISFORUM「EliteMini TH50」のスコアと併記する。
PCMark 10は凸凹があるもののいい勝負、PCMark 8はWork Accelaratedが明らかに上(この傾向はPCMark 10/Productivityにも出ている)、3DMarkはSky Diverまでが気持ち劣っており、Cloud Gate以降は逆転する。CINEBENCH R23はマルチは上だが、シングルは劣る。SSDはNVMeの割にそれほど速くない感じか。
掲載した写真からも分かるように、筐体はEliteMini TH50と比較してかなり小さい。それでこの程度の差に収まってかつ、熱くなく静かと言うのはなかなかではないだろうか。
機種 | SER4 | TH50 |
---|---|---|
PCMark 10 v2.1.2556 | PCMark 10 v2.1.2532 | |
PCMark 10 Score | 5,016 | 4,998 |
Essentials | 8,958 | 9,510 |
App Start-up Score | 11,071 | 12,617 |
Video Conferencing Score | 7,898 | 7,843 |
Web Browsing Score | 8,223 | 8,692 |
Productivity | 7,620 | 6,573 |
Spreadsheets Score | 9,478 | 6,040 |
Writing Score | 6,127 | 7,155 |
Digital Content Creation | 5,020 | 5,423 |
Photo Editing Score | 6,853 | 9,331 |
Rendering and Visualization Score | 5,410 | 3,175 |
Video Editting Score | 3,413 | 5,386 |
PCMark 8 v2.8.704 | ||
Home Accelarated 3.0 | 4,252 | 4,418 |
Creative Accelarated 3.0 | 4,554 | 4,918 |
Work Accelarated 2.0 | 5,074 | 3,115 |
Storage | 5,058 | 5,061 |
3DMark v2.22.7358 | v2.18.7185 | |
Time Spy | 1,384 | 1,823 |
Fire Strike Ultra | 801 | 1,204 |
Fire Strike Extreme | 1,588 | 2,236 |
Fire Strike | 3,470 | 4,565 |
Sky Diver | 12,491 | 14,864 |
Cloud Gate | 21,216 | 20,294 |
Ice Storm Extreme | 85,373 | 74,569 |
Ice Storm | 99,898 | 92,435 |
CINEBENCH R23 | ||
CPU | 8,024(7位) | 6,006(9位) |
CPU(Single Core) | 1,228(4位) | 1,357(3位) |
CrystalDiskMark 6.0.0 | ||
Q32T1 シーケンシャルリード | 1,739.140 MB/s | 2,543.722 MB/s |
Q32T1 シーケンシャルライト | 965.335 MB/s | 1,204.635 MB/s |
4K Q8T8 ランダムリード | 341.603 MB/s | 859.163 MB/s |
4K Q8T8 ランダムライト | 855.229 MB/s | 1,066.522 MB/s |
4K Q32T1 ランダムリード | 340.880 MB/s | 706.631 MB/s |
4K Q32T1 ランダムライト | 466.858 MB/s | 486.511 MB/s |
4K Q1T1 ランダムリード | 50.420 MB/s | 62.135 MB/s |
4K Q1T1 ランダムライト | 116.228 MB/s | 298.887 MB/s |
以上のようにBeelink「SER4」は、126×113×40mm(幅×奥行き×高さ)と言うコンパクトな筐体に8コア16スレッドのRyzen 7、メモリ32GB、ストレージ512GBを詰め込んだデスクトップPCだ。
比較的静かで熱も出ず、内部に2.5インチベイがあり、ディスプレイ出力にHDMI×2+Type-Cがあるのもポイントが高い。さらにパワーが欲しい時はGTR4/5も用意されている。Ryzenそして小型デスクトップPC好きなユーザーに是非使って欲しい1台と言えよう。
からの記事と詳細 ( NUCサイズにRyzen 7、メモリ32GB、ストレージ512GBを詰め込んだミニPC「Beelink SER4」 - PC Watch )
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