一見魅力的な製品だが、果たして買って大丈夫といえるのか。製品チェックに秀でた識者が良しあしを一刀両断する。今回は、シャープの新方式「ミニLED」搭載の液晶テレビを評価する。
※日経トレンディ2022年2月号の記事を再構成
薄型テレビ選びと言えばまず液晶と有機ELの2択。その常識が、「ミニLED」で変わろうとしている。2021年7月にLGエレクトロニクスが日本国内に初めてミニLED搭載の液晶テレビ(以下ミニLEDテレビ)「LG QNED MiniLED」シリーズを投入したのに続いて、最大手のシャープが21年12月から「AQUOS XLED」シリーズとして、8Kモデル(DX1シリーズ)と4Kモデル(DP1シリーズ)の計5機種を順次発売する。今回は、4Kパネル(3840×2160ドット)の65型モデルである「4T-C65DP1」(実勢価格44万円・税込み)の実機で、その実力をチェックした。
AQUOS XLED 4T-C65DP1(シャープ)
実勢価格44万円(税込み)
●本体サイズ・重さ/幅1442×奥行き290×高さ896ミリメートル・39キログラム(スタンドを含む)
●画面サイズ/65型(横1428×縦804ミリメートル)
●チューナー/地上デジタル×3、BS/110度CSデジタル×3、BS 4K・110度CS 4K×2
●スピーカー/ツィーター×2、ミッドレンジ×4、サブウーハー×1、ハイトツィーター×2、ハイトミッドレンジ×2
●音声実用最大出力/計80W
●接続端子/HDMI×4(内2つが4K120p対応)、AV入力×1、ヘッドホン×1、USB×2、LAN×1
●消費電力/約357W
その前に、ミニLEDテレビについて簡単に説明する。通常の液晶は、液晶パネルの背面(または上下左右のエッジ)にLEDバックライトを搭載し、明るさを調節している。通常は暗い場面でもバックライトが点灯しているため、明かりが漏れる「黒浮き」現象が起きやすかった。ミニLEDテレビでは、数千個の小さなLEDを高密度で敷き詰めて、表示する映像に合わせて部分ごとに適切な明るさにする。これにより、有機ELに迫る高コントラストを比較的低価格で実現する。
シャープ国内TV事業部8K推進部の上杉俊介部長は、「ベースは液晶だが、有機ELのような自発光方式に近い見え方の映像。社内では『第3の方式』と考えている」と表現する。AQUOS XLEDでは、8K液晶で培ったLEDバックライトの最適制御技術を応用した回路「フレアブライトネス」や、バックライトの光波長変換で高純度の3原色を表す「量子ドットリッチカラー」などの独自技術で、さらに画質を高めたという。
「ミニLEDテレビでは、光が広がって輪郭がにじむ『ハロー現象』などの弊害が出る恐れがあるが、AQUOS XLEDではほぼ無い。バックライト制御など、シャープの技術的なノウハウの蓄積で差別化している」(上杉氏)
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