多少大型でも処理性能を取るのか、多少FPSを犠牲にしてでも持ち運びやすさを取るのか。
これは小型ゲーミングノートPCの購入を考えたことある人ならだれもが直面するジレンマですよね。ゲーミングノートを手がけて10年のRAZERもずっとどっちつかずな感がありましたが、Blade 14は違います。今買える最高性能のGPU(とAMD CPU)をサポートする真にコンパクトなゲーミングノートなので、もうサイズ優先か性能優先かで悩むこともありません。大きすぎず、小さすぎない、絶妙なサイズ感です。
いつものデザインだけどディメンションが違う
アルミのユニボディ。クリーンでミニマリストなライン。Blade 14はRAZERのゲーミングノートらしい上質な造りとデザインです。キーごとに光るRGBバックライト、Windows Hello顔認証ログイン対応のWebカメラ、 上向きのステレオスピーカーももちろん搭載しています。RAZERで唯一のAMD CPU(RYZEN 9 5900HX)搭載ゲーミングノートなのでThunderbolt 4には対応していません(重要)が、ポート類はHDMI 2.1ポート×1基、USB 3.2 Type-Aポート×2基、USB 3.2 Type-Cポート×2基搭載で、ヘッドホンジャック付き。このサイズのノートとしては十分揃ってます。
Razer Blade 14
これは何?
高性能な14インチのゲーミングPCノート
価格
1,800ドル~(レビュー機は2,200ドル)
好きなところ
- RTX 3080までサポート
- ビルドが上質
- ディスプレイは144Hzか165Hz
- 申し分ない性能
好きじゃないところ
- 割高
- Thunderbolt 4に対応していない
- 熱くなることもある
- バッテリー持ちはまあまあ
ディスプレイは14インチで、構成に応じて144Hz(1920×1080)か165Hz(2560×1440)の2通りから選べます。レビュー機は後者の165Hzの画面でしたが、輝度346nitsであっと驚くほどじゃないけど十分です。カラーは鮮明。ただ画面がマットなのでグロッシーな画面ほどではないかな。キーボードは人によっては少し窮屈に思うかも(Backspace 、バックスラッシュ、矢印のキーが通常より小さい)ですが、小型化の制約があるなかでのことなので、自分はあまり気になりませんでした。ガラスのタッチパッドはたっぷりめで高感度です。RAZERはここに1mmでも広く面積取った感じですけど、それでいてキーはクリック感があって、しっかりと跳ね返る手応えを感じることができます。
下部ベゼルは分厚いです。16:9ではなく16:10の画面にしてくれたら、ゲーム用にも仕事用にも使えたのに~と思わないでもないですが、デザイン的に古いと感じるほどではないかな。サイズは12.59×8.66×0.66インチですね。パワフルでありながら、RAZERの13インチのBlade Stealth(12×8.27×0.6インチ) に迫るミニサイズ。
性能UP、サイズDOWN
RAZER製ゲーミングノートでは唯一のAMD製CPU搭載モデルだというのは冒頭でも書きましたが、RAMは16GBあり、NvidiaのRTX 30シリーズのGPUと自在に組み合わせられます。希望に応じてRTX 3060、RTX 3070はもとより、なんならRTX 3080も選べちゃう。13インチのBlade StealthはGTX 1650 TIまでしか搭載できないので、大きな進化ですよね。爆速コンビネーションで違いを実感できます。
実はBlade Stealthは去年レビューしたんですけど、フルHD&ウルトラグラフィクスで「Far Cry 5」をプレイして比べた場合、Blade Stealthは48FPS止まりなのに対し、Blade 14は2倍の100FPSも出ます。GPUがパワフルになったのでこれくらいの差は当然かもですが、それでもワンサイズ上げるだけでこんなに差が出るものなのだなあ…と改めてビックリです。実際、Blade 14は13インチのBlade Stealthよりワンサイズ上(15インチ)のBlade 15とのほうが共通点多くて、選べるGPUのオプションの幅も同じだし、RAMもストレージもだいたい同じ。ただBlade 15はサイズが大きい分、冷却にスペースが取れるのでゲームの処理性能は10%ほど上です。僅差じゃないけど、サイズ感優先なら納得圏内のトレードオフといえるでしょう。
参考までに、同じ設定で「Far Cry 5」をプレイして比べたら、Blade 15は109FPS、Blade 14は100FPSという結果でした。「Shadow of the Tomb Raider」をフルHDの最高度設定でプレイした結果もだいたい一緒で、lade 15は平均112FPS、Blade 14は99FPS。RAZER社製モデルで比べるとこうなりますが、ALIENWARE m15 R5やACER Predator Triton 300 SEといった他社製モデルと比べるとBlade 14はかなり高性能です。価格差があるから当たり前かもですが、業務タスクもゲームも編集部の全ベンチマークで同等かそれを上回る好成績を弾き出してくれました!
バッテリーはまあまあレベル
さて、気になるバッテリー持ちですが、動画視聴テストでは6時間49分持ちましたよ。特にすごくもなく、ややガッカリくるすれすれのラインと言ってもいいくらいです。なんせMSIのStealth 15Mは7時間59分、ALIENWARE m15 R5は7時間27分、ASUS ROG Strix G15 Advantageは8時間22分で、どれもBlade 14より長く持ちますからね。唯一勝てたのはACERのTriton 300 SE(6時間11分)だけ。まあ、他社製はどれも15インチなので、15インチと14インチを比べてもかわいそうだけど…。電気消費の激しいコンポーネントを小型ボディにみっしり詰めると、バッテリー用の面積はどうしても限られちゃいますからねー、うん。
もうひとつの不安要素は発熱です。Blade 14は負荷が最大になると割とすぐ熱くなるんですね。さらにバッテリーでゲームプレイ中はピークの性能が目に見えて下がります。どのみち電源抜いて使うときにはバッテリーがすぐ減る前提で、グラフィックスの設定をやや低めに調整して消費電力をセーブするのが得策かも。
さらに細かい点ですが、充電ケーブルは自社独自規格のものじゃなく、USB Type Cにしてくれたほうがうれしかった…。USB-PDは(まだ)Blade 14並みの電力には対応してないかもですが、USB Type Cにしてくれたらみんな大歓迎だろうし、今以上にポータビリティがUPしたのに…と思わずにいられません。
値段の話をしよう
Blade 14最大の弱点はずばりこれ。RAZERのゲーミングノートはどれも高いけど、Blade 14も最安1,800ドル(国内参考価格 30万3800円:RTX 3070 GPU)からとなっています。RYZEN 9 5900 HX CPU、RAM16GB、1TB SSD、RTX 3060 GPUを組み合わせて1,800ドルなので、スペックアップするともっとします。14インチのミニボディに詰め込むのがそれだけ大変だったってことなのかな。
対するASUS ROG Strix G15 Advantageは、同じCPUと同等水準のAMD GPUが入って最安1,550ドル(約16万9000円)から(これはRADEON RX 6000 Mの成せる技)。RAZER製ほどビルドが上質じゃないし、デカいし、Webカメラすらないしで、探そうと思えば粗はいろいろ出てきますが、純粋にコスパだけ比べたらBlade 14に勝ち目はなさそうです。
パワー&ポータビリティ両取りノート
…といろいろ粗探ししてきましたが、旅行のとき13インチにするか15インチにするかで揉める人には、Blade 14は待望のノートです。どんなノート用バッグにもするっと入って、プレイしたいゲームはなんでもできちゃう、あり余るほどのパワー。安くはないけど、処理パワーを取るかサイズ感を取かで、もうイジイジ悩まなくていい! こんな贅沢はないし、買ってうれしくないはずがない。そんな風に思いました。
からの記事と詳細 ( ミニ!パワフル!絶対好きになるゲーミングノート「RAZER Blade 14」レビュー - GIZMODO JAPAN )
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