つい先月、ミルウォーキー・バックスはイースタン・カンファレンス・セミファイナル第5戦でブルックリン・ネッツのケビン・デュラントに苦しめられ、敗退の危機に立たされた。第6戦は負ければ終わりという試合になり、負傷者を抱えていたネッツ相手の敗退は、球団にとって深刻な、長期にわたる影響を及ぼしかねなかった。
シーズンで最も大事なタイミングで、バックスが目を向けたのは、MVP受賞2回のヤニス・アデトクンボではなかった。最も重要な時に身を乗り出し、コントロールしたのは、クリス・ミドルトンだったのだ。29歳の彼はバックスがネッツとの対戦で必要としていた安定した力となった。第7戦でも彼は再び活躍し、ネッツを敗退せしめ、バックスをカンファレンス・ファイナルに導いたのだ。
だから、アトランタ・ホークスとのカンファレンス・ファイナルでアデトクンボが左ひざを負傷したときに、バックスをけん引したのがミドルトンだったのも、驚くことではないだろう。7月3日(日本時間4日)の敵地での第6戦で、ミドルトンはゲーム最多の32得点をあげ、バックスを118-107の勝利と1974年以来となるNBAファイナル進出に導いた。第3クォーターに彼はひとりで23得点をあげ、終盤のホークスの追い上げに耐えられるだけのリードをチームに与えている。
第3Qの活躍について、ミドルトンは「チームメイトやコーチたちから、アグレッシブであり続けるように言われた」と話している。
「コーチのひとりからはずっと、ターンオーバーの代わりにリングにパスしろと言われているんだ。とにかくシュートを打てとね。自信をもって、正しいプレイをしようとしろ、と」。
ホークスに勝利した前回の試合でも、ミドルトンはトリプルダブルに迫る活躍だった。この2シリーズの最後の2試合で、ミドルトンは平均29.8得点、9.3リバウンド、6.5アシスト、フィールドゴール成功率47.6%、3ポイントショット成功率41.9%、フリースロー成功率92.9%を記録している。
試合 | 得点 | リバウンド | アシスト | FG | 3P | FT |
対ネッツ 第6戦 | 38 | 10 | 5 | 11-16 | 5-8 | 11-12 |
対ネッツ 第7戦 | 23 | 10 | 6 | 9-26 | 2-7 | 3-3 |
対ホークス 第5戦 | 26 | 13 | 8 | 10-20 | 2-6 | 4-5 |
対ホークス 第6戦 | 32 | 4 | 7 | 10-22 | 4-10 | 8-8 |
第6戦の試合後、ドリュー・ホリデーは「最後はクリスがけん引してくれたね」と話した。
「彼が僕らを背負ってくれる。僕は彼に乗ってファイナルまでいくんだ」。
チームのベストプレイヤーがアデトクンボであることは明白だ。バックスがすることのすべての中心にいるのは、攻守両面でモンスターの彼である。だが、試合がタイトになると、ミドルトンが輝く番だ。それは、アデトクンボですら認めている。
フェニックス・サンズとのNBAファイナルでアデトクンボが出場できるかどうかによらず、ボールはミドルトンの優れた両手に渡り続けるだろう。チームメイトの誰に聞いても、それは当然なのだ。
パット・カナトンは「冷静で落ち着いた性格の彼が、こういったシリーズやポストシーズンにできているのは素晴らしいことだね」と話している。
「3年間彼を見てきた者として、今の彼がこの瞬間を手にし、オールスターに選ばれた理由や、優勝を競うチームで2番手の選手である理由を示せているのを見られて、とてもうれしいよ」。
原文: With or without Giannis Antetokounmpo, Khris Middleton has established himself as Bucks' closer by JORDAN GREER/Sporting News.com(抄訳)
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