第二次大戦末期の沖縄戦で旧日本軍の特攻を受けて僚艦に沈められた米軍艦「エモンズ」の調査・研究をしている菅浩伸・九州大主幹教授(浅海底フロンティア研究センター長、自然地理学)の講演会が26日、福岡県筑前町の町立大刀洗平和記念館であった。
エモンズは2000年に沖縄本島北部・古宇利島沖の水深約40メートルの海底で見つかり、付近には大刀洗陸軍飛行学校の教官らから成る誠飛行隊の九八式直接協同偵察機のエンジンなども沈んでいた。
菅氏は研究チームの水中考古学者らと共にマルチビーム測探機や多視点ステレオ写真測量技術を用いてエモンズ周辺の極めて詳細な海底地形図と三次元モデルを作成したことを紹介。残骸の位置などの分析と米軍の記録などを基に、特攻機がどの方向からどこに突入したかなど戦闘の状況を明らかにした研究成果を披露した。
菅氏は「エモンズは日米の2面からの歴史を語る文化遺産で、沖縄戦と日本軍の特攻を記録する重要な戦争遺跡だ」と指摘。「浅海底を可視化することで戦争遺跡の成り立ちや現状を社会に訴えかけ、平和への営みにつなげることができる。今後も語り継ぐことを続け、遺跡の保護についても研究したい」と語った。【桑原省爾】
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