ちょっとややこしいアップデート
うーん、これは混乱する。 私は2019年7月にドイツ・ミュンヘンで実施されたミニ・クラブマンJCW/カントリーマンJCWの国際試乗会に参加した。結論を先に申しあげると、このときは背の低いクラブマンだけの試乗で、背が高いカントリーマン(日本名:クロスオーバー)には乗れなかったのだけれど、306psの新エンジンやトルセン式リミテッドスリップデフを搭載するといった変更点はクラブマンとカントリーマンで共通との説明を受けていた。 さらにミニ・クロスオーバーJCWは2020年11月にもマイナーチェンジを受けているが、エンジンや駆動系などのスペックは2019年に試乗したものとまったくおなじで、外観やインテリアがアップデートされたとプレスリリースには記されている。 「それだったら2019年の時点で外観もアップデートすればよかったのに……」と思いたくなるが、あらためて調べて見たところ、2019年発表のモデルは2017年発表のものとデザインは共通。つまり、2017年にデビューしたミニ・クロスオーバーJCWは、まず2019年にハードウェアを見直し、続いて今回内外装のアップデートを図ったと理解できるのだ。 まぁ、いずれにしても2019年に改良を受けたクロスオーバーJCWに試乗したことはなかったので、新型クロスオーバーJCWに乗るのはこれが初めてという前提で試乗記をお届けにしたい。
“JCW”とは?
JCWはジョン・クーパー・ワークスの頭文字。もともとF1マシンのコンストラクターだったジョン・クーパーは、ちっぽけなミニをチューニングして1960年代のモンテカルロラリーに挑戦。そのすばしっこさを生かして1964年、1965年、1967年と3度もモンテカルロを制し、ミニ・クーパーの名を不動のものとしたことはご存じのとおりである。 時は流れ、21世紀になるとミニはBMW傘下のブランドとして復活。そのチューニングキットを販売したのが、ジョンの息子マイケルが設立したジョン・クーパー・ワークス社だった。いちおう社外品キットだったとはいえ、これはBMWのお墨付きを得た、いわば共同開発のようなもの。これが予想外の大好評となったことでBMWはジョン・クーパー・ワークス社を買収。以降はキットではなくコンプリートカーとして、というよりはむしろミニのハイパフォーマンス・バージョンとして、ミニのカタログに掲載されるようになった。 そのレシピは、とびきりパワフルなエンジンとスポーティに硬められた足まわりを組み合わせ、ひと目でJCWとわかる内外装のモディファイを行なうというもの。 当然、走りは刺激的なミニのなかでも別格で、BMWにたとえれば通常の「3シリーズ」と「M3」くらいの違いがある。いわばミニのイメージリーダーで、モータースポーツ界に不滅の金字塔を打ち立てたミニ・クーパーの伝統を受け継いでいるのが、現代のミニJCWといって間違いないだろう。
からの記事と詳細 ( ミニの変貌は進化か? それとも個性の喪失か? 新型ミニ・クロスオーバーJCWから見る20年目の完成度(GQ JAPAN) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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