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Saturday, January 30, 2021

【手頃なEVのベストチョイスは?】マツダかミニか 各ブランドの性格が顕著 短所は大差なし - http://www.autocar.jp/

もくじ

安価で楽しいEV
物足りない航続距離
GT的なマツダとスポーティなミニ
とにかくダイレクトなミニ
明確な各ブランドの個性

安価で楽しいEV

おそらく、運転して本当に楽しい電気自動車の登場を待ち続けている読者は多いだろう。とはいえ、8万5000ポンド(約1190万円)のポルシェ・カイエンや6万4000ポンド(約896万円)のジャガーIペイス、4万5000ポンド(約630万円)のポールスター2といった、高額モデルの話はもう聞き飽きているかもしれない。

それならば、今回のテスト車はどうだろうか。どちらも、補助金を差し引けば2万8000ポンド(約392万円)以下で手に入るのだ。しかも、どちらも走りの重要性を理解している点では、定評のあるメーカーが造った商品だ。

どちらも走りの重要性を理解している点では、定評のあるメーカーが造ったEVだというのは、期待させてくれる要素だ。
どちらも走りの重要性を理解している点では、定評のあるメーカーが造ったEVだというのは、期待させてくれる要素だ。    OLGUN KORDAL

それをよく表わしているのが、ミニ・クーパーとマツダMX-5、すなわちロードスターだ。どちらもベストな仕様であれば、われわれが愛する前輪駆動と後輪駆動のスポーツカーの姿を示してくれる。充電ケーブルを抜いて走り出す前から、楽観的でいられる理由がそこにある。

ミニ・エレクトリックは発売からしばらくの時間が経っていて、すでによく知っている。端的にいえば、われわれのお気に入りの一台だ。とくに好ましいのは、急激に立ち上がる27.5kg-mのトルクによる加速や、ミニらしい金魚鉢の中から見るような前方の眺めだ。

また、間違いなく重心が路面をかすめるような感覚と、うまくチューンされたステアリングのレスポンスも挙げられる。それらは、ミニを表現するものとしてしばしば引き合いに出される、ゴーカートのような俊敏さを紡ぎ出す重要な要素だ。

もしもコンパクトなEVが必要で、しかし走りの楽しさを諦められないのであれば、今のところこれが、手頃な価格帯ではベストな選択肢だ。ただし、ウェット路面のラウンドアバウトを走るときなら、ルノー・トゥイジーという例外もあるが。

物足りない航続距離

すでにミニの新車販売において1割ほどを占めるEVモデルだが、ひとつだけ気に入らないことがある。あまりにも乏しい航続距離だ。フル充電で225kmという公称値も物足りないが、現実的にはさらに短くなり、180kmを切る程度だ。

この数字は、コンパクトEVカテゴリーを見回しても不足を感じる。ライバルたちをみてみると、プジョーe-208は332kmの航続距離を謳い、フィアットの新型500でも320kmは走るとされているのだ。

2台とも、充電インターフェイスはタイプ2を採用している。
2台とも、充電インターフェイスはタイプ2を採用している。    OLGUN KORDAL

だから、いくらミニEVの走りがよくても、セカンドカーという位置づけから抜け出すことはできない。黄色いトグルスイッチをオンにして走り出す前から、その事実は変えようがないのだ。それで事足りるかどうかは、ユーザーそれぞれの求めるものによるだろう。

そんなミニの航続距離は、マツダMX30にもチャンスを与えるものだといえるのではないだろうか。235kg重く、パワーに劣り、価格はやや高いが、相対的には互角になれるのではないかと。ところが、マツダ初のEVは200kmしか息が続かない。ミニよりも移動範囲の自由度が低いのだ。

そんなMX30を擁護するならば、ライトサイジングなアプローチを主張するだろう。市場のニーズを慎重に検討して、そのスペックは決められたのだ。

マツダは、より大きなバッテリーパックを積むことも可能だったというが、そうしなかったのは価格と、ハンドリングに悪影響を与える重量を抑えるためだ。しかも、一般的なユーザーが日常的に走る距離は一日あたりせいぜい80km程度。となれば、いたずらにバッテリーを大型化しなくてもいいというわけだ。

たしかに、客観的にみれば正しいのだろう。机上の話としては、十分なほど道理に適った話だ。しかし、郊外でのコミューターとして使われることもあるだろうコンパクトクロスオーバーにとってはマイナスとなる戦略だ。CO2規制を切り抜けるためには、欧州でかなりの台数を売らなければならないのだから、得策とはいえない。

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