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Wednesday, September 9, 2020

1600万円の“新車で買える”クラシック・ミニとは? - GQ JAPAN

制作時間は1400時間!

今年で第5回を迎えた「オートモビルカウンシル」は、2016年の第1回から「CLASSIC MEETS MODERN(クラシック ミーツ モダン)」をモットーに掲げてきたが、今年はそれにピッタリの1台が展示された。会場にてジャパンプレミアを果たした、英国デビッドブラウンオートモーティブ社の「ミニ・リマスタード」がそれだ。

1959年デビューのBMC「オースティン/モーリス・ミニ」時代から、ローバー・ミニとして2000年に生産を終えるまで、全世界で愛されてきた名車中の名車、通称「クラシック・ミニ」を、その名のとおり現代に“リマスターした”モデルである。

ボディサイズは全長×全幅×全高:3055×1470×1330mm

初めて対面したミニ・リマスタードは、まず1600万円(車両本体価格)というプライスタグに面食らってしまった。

デビッドブラウンオートモーティブ社の日本総代理店であるホワイトハウス社(愛知県名古屋市)のマーケティングディレクター、谷川伸一氏から話を訊くと、高価格にも納得の理由があることが明らかになってゆく。

ボディは、MGやミニなど、BMC往年の名車たちのホワイトボディを、現在でも製作・供給しているブリティッシュ・モーター・ヘリテージ社とともに新規開発したという。フロントフェンダーやリアパネル接合部に設けられた特徴的なリブを廃することで、リマスタード独自のスタイルを獲得した。くわえて雨漏りやボディのきしみなどとして露呈する、設計年次ゆえのボディ強度の弱などのクラシック・ミニの弱点を、大幅に解消することができたという。

搭載するエンジンは1.3リッター直列4気筒OHV。

ローバー時代のシャシーナンバープレートが付いたエンジンルーム。

フロントに横置きされるエンジンは、ベースになるローバー・ミニ最終期のモデルに搭載されたものと同じ1.3リッター直列4気筒OHV 。ただし、今でも英国では入手可能な新品パーツでフルオーバーホールされ、1960〜70年代の高性能版「クーパーS」にも匹敵する71psを発揮する。組み合わされるトランスミッションは4速MTが標準であるものの、5速MTやオートマティックを選ぶことも可能だ。

インテリアは、ローバー・ミニ時代のレイアウトを残しつつ、レザーとファブリックを各所に使う。ドア内側のアームレストやコンソールは、新たにデザインされたゴージャスな設えとなっている。

ホワイトの内張が印象的なラゲッジルーム。

ホイールサイズは12インチ。

さらに日本では欠かせないエア・コンディショナーをはじめ、パワーステアリング、パワーウインドウ、集中ドアロックも標準装備し、現代のクルマに遜色ない快適性を誇る。くわえてApple CarPlayおよびAndroid Autoに対応する7インチのディスプレイ付きインフォテインメントシステムもスタンダードで装備するから驚きだ。

これら快適装備を確実に作動させるため、電装品のハーネス類も新規に作成しているとのこと。これらの入念な手作業を合算すると、1台のミニ・リマスタードを製作するのに要する時間は、のべ1400時間にもおよぶそうだ。

展示車のグレード「デイトリッパー」は、電動パノラミック・ファブリックサンルーフが標準。

ドアミラーには足もとを照らす照明付き。

ミニの姿をした、スペシャルコーチビルドカー

デビッドブラウンオートモーティブ社が製作する各モデルは、すべてイギリス国内でのハンドメイドだ。ジャガー「XK」をベースに、アストンマーティン「DB6」を彷彿とさせるアルミボディを架装した超高級グランドツアラー「スピードバックGT」はもちろんのこと、この小さなミニでも、原則としてオーダー主と話し合いながらクルマを作り上げる「ビスポーク」制である。

エアコンなどを備えたインテリア。

ドアライニングはファブリックとレザーのコンビ。

燃料タンク容量は34リッター。

ミニ・リマスタードについては、オリジナルのシャシーナンバーを維持するため、モノコックの一部およびメカニズムの一部は流用するとはいえ、ほぼブランニューだ。まさに、昔ながらの英国コーチビルダーが、ビスポークないしは少量ロットで製作した“スペシャルコーチビルドカー”であり、それを勘案すれば1600万円という価格も、妥当ではないか?

日本導入予定のミニ・リマスタードは、3タイプ。オートモビルカウンシルの会場に展示されたのは、白とブルーのデュオ・トーン仕立てで、谷川氏いわく「ロンドンよりも、モナコやリヴィエラの街並みが似合いそうですね」という「デイトリッパー」である。

パイオニア製のナビゲーションシステムを搭載。

シート表皮はブルーとホワイトのコンビ。

4ATはオプション。標準は4MT。

もう1台は、往年のミニ・クーパーSを意識したであろう、カフェレーサー的イメージで仕立てられた「カフェレーサーズ」。そして、排気量を1330ccに拡大し、12psアップの83psを発揮する「モンテカルロ」だ。それぞれ、世界限定で25台が生産されることになっているという。

ミニ・リマスタードは、顧客のオーダーを受けてから生産に着手する受注生産制のため、通常でも納車までには1年以上かかるとのこと。しかも現在はコロナ禍の影響で、さらに遅くなってしまう可能性もあるという。

でも、然るべき時間とコストをいとわない裕福なエンスージアストは、日本国内にも少なからずいるはず。そんな人々にとっては、ほかにはない洒脱なセンスとウィットが感じられる極上の1台になるのは間違いあるまい。

文・武田公実

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September 09, 2020 at 08:05PM
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