新型コロナウイルスの感染拡大を受け、「さっぽろ大通ビアガーデン」の中止が決まっていますが、札幌市などは、代わりのイベントとして今月末から大通公園で規模を縮小したビアガーデンを開催する方向で準備を進めています。
「さっぽろ大通ビアガーデン」は札幌市の大通公園で開かれる夏の大型イベントで、去年はおよそ１１６万人が訪れましたが、ことしは新型コロナウイルスの感染拡大を受け中止が決まっています。
こうした中、札幌市内で感染状況が落ち着いていることを踏まえ、市や観光協会などは代わりのイベントとして大通公園で規模や期間を縮小した「ミニビアガーデン」を開催する方向で準備を進めています。
関係者によりますと、これまで大通公園の西５丁目から１１丁目の広い範囲で開催していた会場を西８丁目の１か所にして、１万３０００席だった座席数も５００席以下にする方向だということです。
開催期間も今月３１日から来月１６日までの２週間余りとこれまでの半分程度に短縮し、利用客は事前の予約制にするということです。
札幌市などはビアガーデンの詳細について来週にも発表することにしています。
【札幌市長は】
大通公園で開催準備を進めている「ミニビアガーデン」について、札幌市の秋元市長は取材に対し「開催に向けての最終調整をさせていただいている。席と席の間隔を十分にとって新たな生活様式、新北海道スタイルを実践するイベントのモデルケースとなるよう模索をしたい」と述べました。
【街の声】
ビアガーデンを縮小して開催することについて会場の大通公園で聞きました。
４０代の会社員の男性は「小規模でも開催されるのは嬉しいです。事前予約が大変そうかなと思いましたが、札幌の経済のためにもやるのはいいと思う」と歓迎していました。
一方、大通公園でピクニックをしていた２２歳の女子大学生は「毎年参加していて行きたい思いはありますが、感染する可能性が少しでもあると思うと、周りに迷惑かけたくないので行かない思います」と話し利用は見送るということです。
飲食店を経営する４９歳の男性は「開催に楽しみもあるが不安も。半分半分の気持ちです」と複雑な心境を明かしました。
【外でビール 営業している店では】
札幌市内のデパートのテラスでビールなどを提供しているレストランでは、感染防止の対策をとりながら営業を行っています。
札幌市中央区の東急百貨店のテラスでは夏になると毎年ビアガーデンが登場しますが、ことしは「リゾートテラス」と称して屋外型のレストランとして営業しています。
新型コロナウイルスの影響で、ことしの営業開始は去年より１０日余り遅い今月１日からとなりました。
営業にはさまざまな対策が取られています。
客が入店する前には検温をして３７度５分以上の熱がある場合は入れません。
また入り口には消毒の容器も置いて手や指の消毒を行っているほか、食事を済ませたあともテーブルは必ず消毒します。
人との距離を保てるよう座席数も去年の２５０席からことしは１７０席まで減らしました。
訪れた４０代の女性は「札幌の短い夏の唯一の楽しみなので、外で食事とお酒が楽しむことができて嬉しいです」と話していました。
店員の安井友輝さんは「感染防止策をとってるので、ずっと家にいてゆっくりしていた人もせっかくの夏なのでぜひ足を運んでほしい」と話していました。
【ビアガーデン楽しむ注意点は】
感染症対策に詳しい北海道医療大学の塚本容子教授は準備が進む大通公園でのビアガーデンについて、感染対策がまだ明らかになっていないとしながらもビアガーデンには一定の感染のリスクがあるので、万全の対応をしてほしいと述べています。
塚本教授はビアガーデンでの感染対策として次の点を挙げています。
▼客が混雑しないようソーシャルディスタンスを保つこと、▼会場の中や外で客が酒を飲みながら歩き回らないように制限すること、▼スタッフがゴミを処理する際の安全対策を徹底することなどです。
また利用客に対しては、「感染が広がっている東京から訪れる人もいると思う。サラリーマンは誘われると断れないかもしれないが、少しでも体調が悪い時は絶対に行かないでほしい」と述べました。
また「お酒を飲むと大声になりがちなので、食べるときと飲むとき以外はマスクを着けて飛沫を飛ばさないようにしてほしい」と話し、感染防止策への意識を持つよう呼びかけていました。
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July 09, 2020 at 04:59PM
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大通でミニビアガーデン開催準備｜NHK 北海道のニュース - nhk.or.jp
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