日本人が昔から愛してやまない輸入車ブランドがいくつかある。MINIはその筆頭候補と言っていいだろう。
日本で人気のMINIはどんなモデルがラインナップされていて、それぞれがどのような魅力を備えているのか? グレード体系、エンジンはどうなっているのか? などを考察することにより、MINIの魅力に迫ってみたい。
ひと口にMINIと言ってもいろいろラインナップされている。どのタイプのMINIを買えばいいか迷っている人はモデル選び指南として活用していただきたい。
文:石川真禧照/写真:BMW
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新旧2タイプのMINIが存在
毎年発表される輸入車販売台数で、ここ数年常にベスト5に入っているブランドがMINIだ。2002年に日本に上陸した(しかも3月2日ミニの日!)MINIは日本の市場にプレミアムスモールという新しいセグメントを確立した。MINIの魅力はどこにあるのだろう。
その前にいまの日本には2つのMINIMが存在している。
ひとつはミニ。こちらはクーパーミニ、クラシックミニ、オールドミニなどと呼ばれている英国製で、1950年代から2000年代初めまでつくられていたモデル。形はカワイイが、クルマとしての性能は、動力、安全面で時代遅れになっている。
もうひとつが、今回紹介するMINI。BMWミニ、ニューミニ。MINIと呼ばれているモデルで、その名のとおり、ドイツのBMWが設計、開発を行い2001年から生産を始めたモデルだ。
BMWは当初、英国のローバー色を消そうと、BMW製を強調していたが、生産は英国のBMW工場で行われていた。しかし、2018年あたりから徐々に英国色を前面に打ち出す方針になり変えている。
最新モデルではテールランプのデザインに、ユニオンジャックをモチーフにするなど、英国を意識した商品展開をしている。
5月に出された新型クロスオーバーのプレスリリースにもハッキリと「英国製プレミアムブランド」と書かれている。
MINIの基幹モデルは3タイプ
現在のMINIシリーズは大きく分けて2つのシリーズから構成されている。
ひとつは基幹モデルであるハッチバックタイプ。3ドア/5ドア/コンバーチブルだ。
もともと2002年に登場したとき、MINIは2ドア+リアハッチゲート付の3ドアだけだった。2004年に3ドアをベースにルーフをフルオープンにしたコンバーチブルが加わった。
5ドアが加わったのは3世代目になった2013年から。3ドアのホイールベースを延ばし後席用のドアを付けたモデルだ。この3タイプのMINIが基幹モデルに区分されている。
ちなみにこの基幹モデルのMINIは、過去に何タイプかの派生モデルもあった。2008年から2015年にかけてステーションワゴンの初代クラブマン、2ドアクーペ、2ドアロードスターたちだ。いずれも5ナンバーのMINIだった。
すべてのMINIが3ナンバーになったのは2013年からの現在の第3世代からだ。
ビッグMINIは2タイプ
MINIシリーズのもうひとつは、ビッグMINIシリーズだ。それはBMWが新しいコンパクトモデルを開発し始めたときに、先行開発の意味合いもあった。
MINIのイメージを生かし、さらに大型化、上級化を狙った路線を作り出した。
最初は2010年に発表されたクロスオーバーだった。ボディサイズは大きく、高く。全幅は1790mm、全高も1550mm。さらに4輪駆動モデルも設定されていた。
この大きなMINIは、新しいファミリーカーとして、市場に受け入れられた。日本でも従来からのミニファンではなく、20~40代のファミリーが、新しいライフスタイルのシンボルとして、ビッグMINIに注目した。
クロスオーバーは一時期、3ドア化したペースマンという派生モデルも生まれたが短命に終わっている。その代わりということではないが、クラブマンが大型化され、ビッグMINIの仲間に加わった。
現在のMINIはプレミアムスモールの3/5ドア、コンバーチブル、プレミアムコンパクトのクラブマン、クロスオーバー、というラインナップになる。
栄光のジョン・クーパー
パワーユニットはシンプルだ。基本的には3気筒1.5Lと4気筒2Lで、ガソリンとディーゼル、いずれもターボ仕様。これに最新モデルではプラグインハイブリッド用のパワーユニットが加わっている。
グレードもシンプルだ。ベースグレードはOne(ワン)、スポーティなCooper(クーパー)、スポーツなCooper S(クーパーエス)、そしてピュアスポーツのJohn Cooper Works(ジョンクーパーワークス=JCW)が用意されている。
グレード名のクーパーだが、フォーミュラ1の世界で1950~1960年代にかけてトップマシンを制作していたジョン・クーパーから命名されている。
ジョン・クーパーとクラシックミニを開発したイシゴニス博士は友人同士。イシゴニスが作ったミニにクーパーが乗り、そのポテンシャルの高さを見抜いた。
クーパーはミニをベースにチューニングモデルを開発。当時ツーリングカーレースで圧勝していたコーリン・チャプマンのロータスに挑んだ。
さらに国際ラリーではモンテカルロラリーに3度も優勝。排気量1~1.2Lで世界の強豪をねじ伏せた。
限定車も魅力的
モータースポーツでの活躍によりミニクーパーの名が知れ渡ったのだ。BMWもクーパーの名を尊重し、MINI開発時に相談役をクーパー家に依頼し、助言をもとにJCWを開発した。
2019年にはMINI史上最速のJCW GP(グランプリ)を世界3000台限定(日本240台)や2020年3月にはクラブマンをベースに4WD+306psの2Lターボで最高速250km/hの世界299台(日本120台)の「JCWクラブマンGP Inspired Edition」を誕生させるなど活発に活動している。
MINIはハッチバック、コンバーチブル、SUV、ワゴンといろいろなバリエーションをラインナップしているので、ユーザーのニーズをMINIで満たすことができるのが人気の高さになっている。
以上がMINIの魅力とモデルのすべてだ。
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