Pages

Wednesday, June 10, 2020

神田昌典氏が解説、なぜデジタル時代は「言葉」と「構成」が重要なのか - ビジネス+IT

画像
経営コンサルタントの神田昌典氏

(2019年1月撮影)


営業職から大統領まで誰でも「稼ぐ言葉の技術」が必要

 世界的ベストセラー作家の、ダニエル・ピンク氏の調査によれば、「他人を説得し、影響を与え、納得させること」という広義のセールスに、職種を問わず、仕事時間の40%がとられており、しかも年齢が高くなるほど、その重要性は増している。つまり自分自身がセールスという仕事に関わっていると自覚していない人たちも、言葉の力の使い方をマスターすることは、仕事で成功を収めるうえで、もはや誰にとっても不可欠になっているのだ。

 そして、今や政治分野でも、コピーライティング技術は、選挙戦の決定打を握るほどになっている。2008年の大統領選で、オバマ陣営は、ウェブサイト上の申込ボタンのコピーを「Sign Up(登録する)」から「Learn More(もっと情報を知る)」に変えることで、18% 多くの購読者を獲得した。また2016年の米国大統領選で、トランプ陣営は得票数の確保に効果の高い言葉を見極めるため、56,000パターンもの広告テストを行っていた。

 人を動かす言葉は、通信販売ビジネス分野で蓄積してきた、約100年におよぶ広告テストの実証結果にもとづいていて、その効果測定が、デジタル革命によって精緻化されたことで、飛躍的に成否がコントロールしやすくなった。

 デジタル変革の時代に、誰でも擦れる「魔法のランプ」があるとするなら、それは、すでに私たちが日常で使っている言葉の力を、最大限に引き出すコピーライティングの技術である。

画像
コピーライティング力は、このデジタル時代に成功を収めるための“魔法のランプ”だ

(Photo/Getty Image)


人を動かす、文章の最小単位

 コピーライティングは、デジタル時代に数値が把握しやすくなり、結果に直結することが明確になったものの……、残念ながら、この技術を仕事に役立てている人は、あまりにも少ない。それには、理由がある。

 コピーライティングの世界は、奥深い。私は、25年ほど前に、外資系企業の代表をしていた際に、売上目標を達成しなければ、クビという状況下に置かれ、必要性に迫られて、コピーライティングを学び始めた。当初は、この技術はあくまでテクニックで、そこで活用される知識も、セールスやプロモーションといった営業分野に限定されると考えていた。

 しかし結果を上げようとすると、ありとあらゆる分野の知見が、面白いほど紐づいてくる。あるときには、「神田さんのセールスメッセージを読んでいたら、うつ病が治った」という連絡が入り、臨床心理士に理由を尋ねてみると、言葉の使い方が、カウンセリングとほぼ同じであると指摘された。

 またノーベル経済学賞の受賞で注目が高まる行動経済学の事例には、コピーライターの間で昔から指摘されてきた原則がたくさんある。たとえば、「顧客は意思決定の際に、合理性だけでなく、感情を重視する」という視点は、すでにコピーライターの間では常識だったことだ。

 このように学び始めたら、膨大な資料の山に埋もれながら、広告メディアの急速な進化に合わせて、コピーライティングの技術自体を進化させていかなければならない。これは、かなり複雑なプロセスだ。その結果、求道者以外には、敷居が高かった。

 しかも、比較結果を数値で出しやすいため、多くのマーケッターは、穴埋め式の見出し文やテンプレートに飛びついた。「売れる言葉」さえ手に入れば、それで仕事をしたつもりになり、本質を掘り下げて考えることがなかった。その結果、「言葉」と同様──いや、もしかして、それ以上に──「重要な要素」を、見逃してしまったのである。

 「言葉」と同様に、「重要な要素」とは、何か? その答えは──、「構成」である。「構成」とは、「何を」「どの順番で」言うか? それに対して、「言葉」とは、「何を」「どう」言うか? つまり読み手の反応を上げる、文章の最小単位は、

構成×言葉=反応率


となる。

 この縦糸と横糸を紡ぎ、販売する商品をわかりやすく提示できたとき、「売り手」のもとに、ぴったりの「買い手」が集まることになる。

【次ページ】人を動かす構成力につながる「PASONAの法則」とは

Let's block ads! (Why?)



"重要な" - Google ニュース
June 11, 2020 at 05:10AM
https://ift.tt/2YhCAKI

神田昌典氏が解説、なぜデジタル時代は「言葉」と「構成」が重要なのか - ビジネス+IT
"重要な" - Google ニュース
https://ift.tt/37j3R1J
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

No comments:

Post a Comment