[ニューヨーク 8日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米労働省が8日発表した4月の雇用統計は、この統計史上で最も厳しい内容だった。非農業部門雇用者数の減少は2000万人を超えた。失業率は14.7%と目を疑うような数字で、少なくとも、1940年代に統計を開始して以来、最悪となった。しかし新型コロナウイルス感染の世界的大流行による経済への影響は、見出しに踊る数字の背後にこそ隠れている。
今回の統計はぞっとするような内容だった。そのこと自体に意外感はないが。過去約10年間分の雇用増加は帳消しになった。2007年12月から09年6月にかけての「グレート・リセッション(大不況)」で失われた870万人を大幅に超える減少で、今年第2・四半期の米経済が年率30%台後半のマイナス成長になる可能性を示す。過去約70年間の雇用統計の歴史上、最大の雇用者減であり、娯楽・観光産業では約半分の雇用が吹き飛んだ。
今回の数字を過去の危機時と比べてもあまり意味はない。米国が経済の約30%を故意に封鎖した前例はないからだ。しかし、この他にも相違点はある。例えば、4月統計は必ずしも所得の実態を正確に映し出していない。政府の景気刺激策により失業保険で受け取れる額は週600ドル増額されており、ニューヨーク・タイムズ紙によると、実は大半の州で、ならして見れば、給付額が通常の給与水準を上回る額となっている。
こうした増額措置は一時的なもので、州によって水準にばらつきもある。それでも過去の危機との大きな違いは残る。多くの国民に1人当たり1200ドルの一時金が支給されたため、全体としては雇用統計が示すほど所得は落ち込んでいないのかもしれない。
雇用統計史上、最悪になった失業率は、新型コロナ危機前に記録した最低の失業率と同様、全体像を描き出していない。求職していない労働者は含まれていないからだ。しかも、職を失ったうちの1800万人は一時帰休に分類されているが、今後、再雇用されるかどうかは分からない。人々はロックダウン解除後も飲食店などに出かけるのを恐がり、需要は低迷を続けるかもしれない。
10年以上に及んだ景気拡大期の雇用統計には、労働の質の低さや福利厚生の乏しさ、低い労働参加率なども勘案されていなかった。残念ながら、4月の雇用統計によって、既に分かっていたことがほぼ明確になった。米経済は昏睡状態にあり、いつ、どのように目覚めるかの手掛かりもないということだ。
●背景となるニュース
*米労働省・労働統計局が発表した4月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が2050万人減少し、失業率は14.7%に達した。
*1948年に現在の形で統計が発表され始めて以来、失業率は最悪で、雇用者減は最大となった。
*一時帰休の人は約10倍の1810万人に増えた。恒久的に職を失った人は54万4000人増の200万人。
(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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コラム:4月米雇用統計、見出しの数字に隠れた重要な事実 - ロイター (Reuters Japan)
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