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Saturday, April 25, 2020

ミニシアターを救え - 金平茂紀|論座 - 朝日新聞社の言論サイト - 論座

4月15日(水) 新型コロナウイルス禍が拡がる一方。アメリカでは外出自粛要請に反発して「自粛はいい加減にしろ、もう外で働かせろ」という声が労働者の一部から出てきているという。トランプ支持者が中心になっているらしい。何ということか。それに呼応するかのように、トランプ大統領は、経済活動の再開=Business as usualを急ぐ姿勢を見せている。状況判断がビジネス=銭儲け中心なのだ。

 そんななかでNY州のクオモ知事が存在感を増している。彼は記者会見で「この国(アメリカ合衆国)には王様は要らない。そのために憲法があって、大統領選挙があるんだ。経済活動の再開を決めるのは州の判断だ」と明言した。すごいなあ。合衆国ではなく、合州国というのが正しい。

 舞踏家の笠井叡さんに電話をして、先日の「DUOの會」のお礼を伝える。舞踏の公演は現下の情勢でほとんどが中止になっているという。

 15時半から、「ミニシアターを救え」という呼びかけに応じて、映画監督や劇場のオーナー、配給元の人々が省庁に支援を要請した後に、Zoomを使っての記者会見を開いた。僕らはその会場に直接出かけてZoom会見の様子を撮影させてもらった。

「ミニシアター・エイド基金」の発表会見に参加した発起人の深田晃司監督(右)、賛同人の斎藤工さん(中央)と渡辺真起子さん。それぞれ遠隔で参加し、インターネットで配信した 20200413拡大「ミニシアター・エイド基金」の発表会見。右から、発起人の深田晃司監督、賛同人の俳優・斎藤工さん、渡辺真起子さん=2020年4月13日

 白石和彌監督に話を聞いた。聞けば、旭川の出身だという。高校は旭川西高。同郷じゃないか。「ミニシアター・エイド基金」クラウドファンディングが、目標額の1億円に達したと言っていた。だがまだまだ桁が足りないと思う。ミニシアターの支持者は多いはずだ。古くは日本ATGの『初恋・地獄篇』(僕にとってのベスト1)から、原一男さんの『ゆきゆきて、神軍』や、森達也の『A』も、最近の『カメラを止めるな!』も、みんなミニシアターが最初だ。

 コロナウイルス損害補償の意味合いの減収世帯への30万円給付案がここに来て揺らいでいる。公明党の山口那津男代表が安倍首相に強硬に一律10万円給付を、とねじ込んだとの情報。何が起きているのか。

4月16日(木) 実際にミニシアターが休館になっている様子を撮りに、渋谷のラブホ街のどまんなかにあるユーロスペースに行く。同劇場の北條誠人さんに空っぽの映画館で話を聞く。壁に貼られてあったポスター写真群には思い出深いものがたくさんあった。そうか、ソ連のヴィタリー・カネフスキー監督『動くな、死ね、甦れ!』もユーロスペースが国内最初の上映だったのか。あの映画は、故・米原万里さんがVHSをモスクワに持ってきてくださって、モスクワでみた。すごい作品だった。

 減収世帯への30万円給付案が撤回されて、一律10万円給付と緊急事態宣言の全国規模拡大方針が固まった。あしたの夕方、それで首相記者会見が設定された。またプロンプター学芸会か。ウイルス対策会見仕様で、記者クラブ加盟社1社1名+その他枠10名という前回の方式が継続されているという。何だか本当におかしな時代に入ってきた。

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April 25, 2020 at 03:27PM
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