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常に戦略の決断を迫られるのがリーダーという存在だ。だが、リーダーといえども、経験したことのない状況の中では、大きく迷う。
先が見通せない時代、経営者やビジネスパーソンも日々、重要な決断を迫られている。どうすれば正しい決断が下せるのか。そもそも、決断力を強くする方法はあるのか。
一橋大学ビジネススクール教授で 『ストーリーとしての競争戦略』などの著書がある楠木建氏と、経営コンサルタントで、このほど書籍『迷えるリーダーがいますぐ持つべき1枚の未来地図』を書いたコンサルタント横田伊佐男氏が戦略の決断について語り合った。
前回は激変の時代を乗り切る経営者の習慣、さらに戦略思考を磨く方法などを巡って意見を交わした。今回は、スタッフを巻き込むための戦略のストーリー化の話から、経営戦略の決断は、結婚相手選びに近い、という方向に広がっていく。その理由とは?
経営学者は2タイプに分かれる
横田:戦略論の世界では、一方には戦略を研究する学者、すなわち賢者がいます。そしてもう一方には、戦略を立てて実践する実業家がいて、私は強者と呼んでいます。あえて図式化すると、賢者が住む大陸と、強者が住む大陸がある。2つの大陸は寄り添っていながら、間にはちょっとした溝があるように思えます。ジャンプして飛び越えれば渡れるけれども、溝はある。
その溝は埋まらないともったいないし、埋める架け橋になっていきたいとも思うのですが。先生からご覧になると、どんな構造になりますか? 溝を埋めたいというお考えはおありですか?
楠木:経営学者は経営に関する考えを提供しようとする人たちですが、2つのタイプに分かれます。経営をサイエンスとして研究する人と、そうではない人です。
横田:賢者の中に2種類の人がいると。
楠木:「賢者」というと言い過ぎですが、要するに「考える」ことを仕事にしているということですね。経営についての考えの提供の方法で2つに分かれます。ひとつが経営科学者、つまりサイエンスとして経営学をやっているグループです。サイエンスというのは、基本的に自然科学のアナロジーでできている。つまり、再現可能な法則の定立が仕事のゴールになります。例えばE=mc2は再現可能な法則です。人によってmc3になったり、場所によってmc4になったりしない。
横田:常に変わらないわけですね。
楠木:サイエンスというのは「XであるほどYになる」というような普遍的法則の定立を目指します。そこには業界で確立している方法がある。しかもその成果については、専門家の集団、アカデミックなコミュニティーの中で評価が定まる。それは学術雑誌での論文の掲載です。どこのジャーナルにどういう論文を何本出しているのか。業績はそれに尽きます。
横田:サイエンスとして経営を研究する人は、自分で役立てる、積極的に役立ててもらおうとしないわけですね。
楠木:もちろん自身の理論を誰かが実務に役立ててくれる分にはいいのですが、実務家が直接の仕事のオーディエンスになっていないということです。アインシュタインのE=mc2は後にいろいろと役立ったわけですけれども、それをどうやって役立てるかには一義的な関心がない。科学的な知見を学術的なコミュニティーに学術論文の形でプールしておき、ここに法則がたまっているので皆さんよしなにどうぞお使いくださいというスタンスですね。実務家に対する直販をはしない、直接の顧客は学会という卸です。
一方、僕のようなタイプは経営学を科学としてやっているわけではありません。法則の定立を目的としていません。「こう考えたらどうですか」「本質はここにあるのではないでしょうか」ということで、理論というよりも論理、ロジックを提供している。売り方にしても卸を通じた間接販売ではありません。本や講演を通じて、自分の考えを直接エンドユーザーである実務家に届けようとします。場合によっては企業をお手伝いすることもあります。高名な経営学者でいうと、ヘンリー・ミンツバーグ先生や、僕が仕事をしている競争戦略の分野で言うとマイケル・ポーター先生はこのタイプです。学術雑誌の論文よりも、実務家向けの本や論文をプロダクトとして重視している。


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April 21, 2020 at 03:08AM
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戦略対談2「経営戦略の決断は結婚に似ている」 決断した後が大事。事前正解主義だとうまくいかない。 - 日経ビジネス電子版
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