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Friday, September 13, 2019

ウルトラマンブッダに賛否両論 微笑みの国タイ、仏教界も告発と容認で二分(ニューズウィーク日本版) - Yahoo!ニュース

ウルトラマンブッダに賛否両論 微笑みの国タイ、仏教界も告発と容認で二分(ニューズウィーク日本版) - Yahoo!ニュース

東南アジア各国では、日本のアニメやマンガと共に特撮ヒーローも高い人気を誇る。なかでもタイではウルトラマンシリーズが日本と合作で映画化されたほどの人気だが......

仏教国タイでウルトラマン騒動が起きている。法衣の代わりにウルトラマンスーツを着用したブッダが描かれた絵が公共の場に展示されたところ、「不謹慎だ」「仏教徒を侮辱している」と非難が殺到、掲示物が撤去されるとともに作者の女子大生が仏教界の高僧に謝罪する事態に追い込まれているのだ。

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一部の批判者は女子大生や作品を支持した芸術家などに対して法的手段に訴えるという強硬な動きをみせている。その一方で、仏教界からは「女子大生に仏教やブッダを侮辱する意図はなかった」として事態を沈静化しようとする動きも出ており、「微笑みの国タイ」の寛容性が問われようとしている。

タイ東北部ナコンラチャシマ県にあるナコンラチャシマ・ラーチャパット大学4年生の女子大生が描いた絵画が「ナコンラチャシマ・ショッピングモール」に9月初めに展示された。

展示された絵には様々な7つのポーズをとるウルトラマンが描かれているが、頭部は黄金色のブッダとなっているほか、仏座に光背とともに鎮座するブッダも頭部以外はウルトラマンが描かれている。

法衣の代わりにウルトラマンスーツを着法したブッダでもあり、逆に言えばウルトラマンの頭部がブッダになっているものともいえる絵となっている。

この絵のことがネットに投稿されるとたちまち批判が殺到し、炎上状態となったと地元紙「ネーション」は伝えている。

「仏教徒を侮辱している」「不謹慎だ」「罰当たり」などの批判の声を受けて、ショッピングモールは展示していた絵を撤去するとともに、絵の作成者である女子大生は大学関係者と共に地元の仏教寺院に高僧を訪れて謝罪する事態に追いこまれた。

女子大生は「ブッダを侮辱する意図はなく、人類を救い、地球に平和をもたらすスーパーヒーローとしてウルトラマンの姿をした仏陀を描いた」としながらも大きな騒動に発展したことについて高僧の前で正座して深く謝罪したという。

仏教徒の反応分かれる

しかし、一部の仏教徒や保守系政治家などによる批判は止まず、「地の力・仏教徒」を名乗る仏教徒団体は「学生の謝罪は遅すぎる」「絵の展示、公開には学生一人の関与ではできないはずだ」として作成者の女子大生に加えて、大学の教官、展示会場の責任者、イベント関係者、さらに女子大生をネットなどで支持した芸術家らを刑法206条の「個人や組織による宗教に関する侮辱の禁止」に違反しているとして警察に告発した。

地元紙などによると警察はこの訴えをとりあえず受理したものの「対応は上級機関と検討する」としているという。

その一方で地元のスワン・カウ寺の高僧は「問題の絵はブッダや仏教徒を侮辱するものではない。若い学生が親しみのあるポップカルチャーを利用して描いたに過ぎない。作者は謝罪もしており、若い芸術家の芽を摘むようなことがあってはいけない。誰もが寛容の精神で許し合うことが大事だ」と指摘して事態の沈静化を呼びかけている。

ショッピングモールから撤去された絵はバンコク在住のタイ人が譲り受け、9月11日にネットでオークション販売したところ、12日には50万バーツ(約180万円)で落札されたという。落札者は明らかにされていない。

オークションにかけたこのタイ人について「ネーション」は、売り上げの90%は地元病院に寄付し、10%は作者の女子大生に渡したいと話していると伝えた。

国民の90%以上が仏教徒という仏教国タイでは仏教施設や寺院を訪れる際は観光客も肌の露出を控えたり靴を脱いだりするなど「仏教への敬意」を求められることが多く、イラストや絵画、写真などによる仏教、ブッダの表現に関しても仏教徒が不快に思わないような特別な配慮が求められている。

大塚智彦

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2019-09-13 11:42:00Z
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190913-00010005-newsweek-int

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