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Tuesday, December 12, 2023

【やじうまミニレビュー】 USB4対応で転送速度3GB/s超のポータブルSSD「SSD-PE2.0U4-SA」を試す - PC Watch

 では、実際のアクセス速度をチェックしていこう。試用したのは、SSD-PEU4Aの容量2TBモデル「SSD-PE2.0U4-SA」で、そちらを利用して速度をチェックした。

 テスト用のPCとしては、Thunderbolt 4ポートを備える、富士通クライアントコンピューティングのノートPC「LIFEBOOK WU2/E3 FMVWE3U28W」を利用。公式にはUSB4搭載とされてはいないが、Thunderbolt 4はUSB4と互換性があるため、今回はThunderbolt 4をUSB4相当として利用している。

 また、USB4非対応のPCも用意し、そちらでもテストを行なった。なお、以下のテスト環境で用意されているUSB Type-Cは、USB 3.2準拠となる。速度のチェックには、CrystalDiskMark 8.0.4を利用した。

テスト環境(デスクトップPC・USB 3.1準拠)

  • マザーボード:ASUS TUF GAMING B650-PLUS WIFI
  • CPU:Ryzen 5 7600
  • メモリ:DDR5-5600 32GB
  • システム用ストレージ:Samsung SSD 950 PRO 256GB
  • OS:Windows 11 Pro

 まずはじめに、FMVWE3U28WのThunderbolt 4に付属のUSB4対応ケーブルを利用して接続し、書き込みキャッシュを有効にした場合の結果から。

 結果は以下の通りで、シーケンシャルリード3,288MB/s、シーケンシャルライト3,107MB/sを記録。データサイズを64GiBに設定した場合には、わずかに速度が低下している部分もあるが、大きな速度の落ち込みはなく、データサイズ1GiBとほぼ同等の結果が得られている。ただ、いずれも公称のリード最大3,800MB/s、ライト最大3,700MB/sには大きく届いていない。

 バッファローの公称速度はAMD Ryzen 6000シリーズ(Ryzen 5 6600U)搭載のWindows PCで計測されたものだ。それに対し今回筆者がテストに利用したPCはCore i7-1165G7搭載のWindows PCだ。今回はほかにUSB4/Thunderbolt 4対応のPCが手元になく、別のPCでの比較検証ができなかったが、検証PCのシステムの違いが速度に大きく影響していると考えられる。

 とはいえ、テストでもリード、ライトともに3,000MB/sを超える速度を発揮しており、速度的には十分満足できると考えていい。

FMVWE3U28WのThunderbolt 4に付属のUSB4対応ケーブルを利用して接続し、書き込みキャッシュを有効にした場合の結果

データサイズ 1GiB
データサイズ 64GiB

 次に、FMVWE3U28WのThunderbolt 4に汎用の10Gbps対応USBケーブルを利用して接続し、書き込みキャッシュを有効にした場合の結果。そちらではシーケンシャルリードが1,881MB/s、シーケンシャルライトが1,735MB/sを記録した。

 汎用USBケーブル利用時にはUSB 3.2接続となったことで、リード、ライトとも2000MB/sに近い速度になったものと考えられる。もちろん、接続ポートがUSB4/Thunderbolt 4なら付属(もしくは汎用)のUSB4ケーブルを利用しないと最大限の速度が引き出せないことが、この結果からよく分かると思う。

FMVWE3U28WのThunderbolt 4に汎用の10Gbps対応USBケーブルを利用して接続し、書き込みキャッシュを有効にした場合の結果

 次は、FMVWE3U28WのThunderbolt 4に接続し、書き込みキャッシュを無効にした場合。こちらも付属のUSB4ケーブルと汎用10Gbps対応USBケーブルを利用して計測した。

 結果を見ると、いずれもライト速度が300MB/sを切る速度にまで大きく低下していることが分かる。同時にリード速度もやや低下している。リード速度はそこまで不満のない速度とも言えるが、ライト速度は大幅な速度低下となってしまった。

 公式に、USB4/Thunderbolt 4環境では書き込みキャッシュを有効にしないと本来の速度が発揮されないとのことなので、この結果自体は当然かもしれないが、ここまで大きくライト速度が落ちるとは思っていなかったので、その点にはかなり驚いた。

 書き込みキャッシュを有効にすると、PCから外す場合に必ずハードウェアの安全な取り外しを行なう必要があり、ポータブルSSDとしての利便性が大幅に低下してしまう。この点を嫌う人も多いはずだ。とはいえ、利便性の低下と速度の低下を天秤にかけると、個人的には利便性が低下しても速度を最大限引き出した方がいいと考える。

 これだけ高速なポータブルSSDを活用したい場面は、大量の写真や動画データのように大容量なデータを転送したい場合だろう。書き込み速度が遅いと、当然データ転送に時間がかかってしまう。時間効率を考えると、やはり最大限の速度が引き出せていた方がいいはずだ。そのため、USB4/Thunderbolt 4に接続して利用する場合には、必ず書き込みキャッシュを有効にして利用すべきだろう。もちろん、接続ケーブルには付属のUSB4ケーブルを利用すべきなのは言うまでもない。

FMVWE3U28WのThunderbolt 4に接続し、書き込みキャッシュを無効にした場合の結果

付属USB4対応ケーブル利用時
汎用10Gbps対応USBケーブル利用時

 最後に、Ryzen 5 7600搭載デスクトップPCのUSB 3.2準拠USB Type-Cに接続した場合の結果だ。接続ケーブルには付属のUSB4ケーブルを利用。またUSB4/Thunderbolt 4ポートではないため書き込みキャッシュの設定も行なっていない。

 結果を見ると、シーケンシャルリード、ライトともに2,100MB/sを超える速度を記録した。それも、先ほどのFMVWE3U28WのThunderbolt 4に汎用の10Gbps対応USBケーブルを利用して接続した場合の結果よりも速い。この速度の違いはシステム環境の違いによるものと考えていいだろう。

 同時に、書き込みキャッシュの設定を行なわなくてもライト速度は遅くならなかった。公式でも、10Gbps環境では書き込みキャッシュの設定は不要とされており、結果はそちらを裏付けるものとなった。

Ryzen 5 7600搭載デスクトップPCのUSB 3.2準拠USB Type-Cに接続した場合の結果

 ところで、先にも紹介したようにSSD-PEU4Aには冷却ファンが内蔵され、本体の一部を開くことでファンが動作し内蔵SSDを冷却するようになっている。利用時にそのファンの動作音をチェックしてみたが、近くまで耳を近づけてようやく聞こえる程度で、動作音は非常に小さかった。

 また、ベンチマークテストを実行している状態のSSD-PEU4A本体の温度は、手で触ってほんのり温かいと感じる程度。長時間連続でベンチマークテストを実行しても、最も温度が高い部分で43℃ほど、金属の外装部は32℃程度にしか上がらず、高速ポータブルSSDでありがちな触れないほど熱くなることはなかった。これなら安心して利用できるのはもちろん、データを連続して転送する場合でも安定して速度を引き出せると考えていいだろう。

長時間ベンチマークテストを連続実行しても、手で触ってほんのり温かい程度にしか温度が上昇せず、安心して利用できるのはもちろん、速度も安定して引き出せる

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