日本でも高い人気を集める「MINI」ですが、実はその車名に反する「全く小さくない」巨大なモデルが存在していました。一体どのようなクルマなのでしょうか。
イギリスを発祥とし、現在BMWが展開しているコンパクトカー「MINI」シリーズは、扱いやすいコンパクトなボディサイズに愛らしいデザインやファッション性の高いコーディネートを組み合わせたブランドです。
2013年には現行型となる第3世代が登場したMINIシリーズは、3ドアのハッチバックおよびコンバーチブルのベーシックな「MINI」だけでなく、5ドアモデルやクロスオーバースタイルの「MINIクロスオーバー」、テールゲートが観音開きのステーションワゴンタイプ「MINIクラブマン」など、多彩なラインナップを用意。
また、日本自動車輸入組合(JAIA)によると、2022年度の輸入車新規登録台数においてはメルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲンに次ぐ4位を記録するなど、高い人気を集めています。
そんな「小さなプレミアムカー」と言えるMINIですが、実は過去には、その名に反するような“全く小さくない”巨大なボディを持つモデルが存在していました。
それが「MINI XXL」。車名に採用された“XXL”は洋服で“ビッグサイズ”を意味するもので、ファッショナブルなMINIらしいお洒落な命名です。
MINI XXLは、2001年に誕生した第1世代のMINIの「クーパーS」をベースとして開発されたストレッチリムジンで、全長なんと6mにものぼる巨体は圧倒的な存在感を放ちます。
実はこのモデル、アメリカ・ロサンゼルスのコーチビルダーによって制作されたカスタムカーではありますが、その依頼主はなんとBMWドイツ本社。
つまり量販はされないものの、れっきとしたBMW公式のモデルというから驚きます。
6mにまで延長されたボディは車体を支えるために6輪化。さらに走行性能も高められ、エンジンの最高出力は210馬力・最大トルクは245Nmと、ベースモデルより大幅に強化されました。
拡張された室内スペースの多くが後席の快適性向上に費やされており、乗車定員も増加。ベースモデルは2人しか乗れなかった後席ですが、MINI XXLでは6人が快適に過ごすことが可能となっています。
そしてMINI XXLの最大の見せどころとなる特徴が、車体後部に隠された「ジャグジー」。
リヤのルーフとボディを取り外すことで、いつでもどこでも泡とともに露天風呂が楽しめる、かつてないラグジュアリーカーが完成しました。
もちろん走行中の使用は出来ず、完全停車時のみ楽しめる機能ですが、車内に設置されたバーやテレビなどとあわせて最高の非日常を味わえる粋な仕様と言えるでしょう。
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MINI XXLは、マーケティング活動を目的とした特製モデルとして作られましたが、ちゃんと公道走行も可能で、実際に2004年のアテネ・オリンピックではVIPの移動手段に採用されています。
また、その後はヨーロッパ各国やオーストラリアを巡り、さらに日本にも2005年には上陸し一般公開されていました。
このような常識にとらわれないインパクトのあるプロモーションも、現在のMINIブランドの躍進に繋がっているのかもしれません。
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