日本ではあまり馴染みのないAtariのゲームであるが,1970年代後半から1980年代前半にかけて,米国では一世を風靡したゲーム機だけに,足を止めて見入る来場者も少なくない。My Arcadeブースで見かけたAtariのゲーム入りレトロゲーム機を簡単に紹介しよう。
アップライト筐体型と携帯ゲーム機はプレイ可能な実機を展示
My ArcadeとAtariの協業によるゲーム機は,3製品が発売される予定だ。発売時期は2023年末を予定しているという。
3製品のうち,CES会場でプレイ可能な試作機が出展されていたのは,「My Arcade Atari Micro Player」と,「My Arcade Atari Pocket Player」の2製品だ。
My Arcade Atari Micro Playerは,高さ約17cmと小さいアップライト型アーケードゲーム機風の製品「Micro Player」シリーズにおけるAtari版だ。収録タイトル数は100以上で,メーカー想定売価は60ドル前後とのこと。
画面サイズは2.75インチで,とても小さいのだが,そもそもAtariのゲーム機は解像度が非常に低かったので,文字やキャラクターの視認性は,意外に悪くない。
とはいえレバーが非常に小さいので,プレイしやすいとはお世辞にも言えないうえ,本来はパドルで操作する「Breakout」(ブロック崩し)などは,小さなレバーだと操作するにも一苦労だ。
小さなアップライト型ゲーム機という見栄えの良さはあるので,真剣にゲームをプレイするためのゲーム機というよりは,ゲームファン向けインテリア雑貨といったところかもしれない。
プレイ可能なもう1製品のMy Arcade Atari Pocket Playerは,手のひらサイズの携帯ゲーム機だ。イメージとしては,ゲームボーイミクロをやや大きくしたような製品で,こちらも2.75インチサイズの液晶ディスプレイを使ったゲーム機となっている。収録タイトル数やメーカー想定売価は,My Arcade Atari Micro Playerと同じだ。
筐体が小さいので,ボタンやD-Pad(十字キー)も小さいのだが,スティックで操作するのに比べれば,プレイしやすいと感じた。ガジェットとしての面白みは,My Arcade Atari Micro Playerに及ばないかもしれないが,Atariのゲームをプレイしたいなら,こちらのほうが遊びやすいだろう。
Gamestation Plusは,My Arcade独自デザインの小さな据え置き型筐体と,Atariの純正ジョイスティック「CX10」を模したワイヤレスジョイスティック2本で構成されるセットモデルだ。HDMIケーブルでテレビやディスプレイと接続して,内蔵するゲームを楽しむというコンセプトからすると,「Atariミニ」的な製品といったところか。
収録タイトル数は200以上とのことだが,メーカー想定売価は明らかになっていない。
筐体のデザインは,まったく独自のもので,Atariが過去に発売したゲーム機シリーズとはまったく似ていない。しかも,筐体上部にある2つのボタンには,カラーLEDイルミネーションまで埋め込まれているので,過去のAtari製品とは,まったく別物だ。
どうせなら,「Atari VCS」のように,過去のAtari製ゲーム機のデザインを模してくれるとよかったのだが……
ジョイスティックのほうは,筐体デザインこそCX10に似ているものの,こちらもスティックの根元にカラーLEDイルミネーションを組み込んでいる。「無理に今風にしなくても……」と思わなくもないが,外観まで似せると単なる復刻版になってしまうので,あえて避けたのだろうか。
冒頭でも触れたとおり,日本ではAtariのゲーム機自体がかなりマイナーなので,これらを「欲しい!」と思う人がどの程度いるのかは分からない。販売はAmazon.comやMy Arcade公式サイトで行われるとのことだが,日本向けに販売してくれるのかも分からないのが正直なところ。
とはいえ,ディープなゲームマニアなら,いずれかの製品を購入して,友人知人や配信などで「昔,Atariというゲーム機があってね……」という昔話のネタにするのも一興ではなかろうか。
からの記事と詳細 ( Atari 50周年記念のゲーム機が,ミニサイズレトロゲーム機の「My Arcade」から2023年末に登場。実機をチェック ... - 4Gamer.net )
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