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Thursday, March 3, 2022

MINI特集/コンパクト!高品質!楽しい走り!やっぱりMINIがいい! - Goo-net(グーネット)

輸入車 [2022.03.04 UP]

MINI特集/コンパクト!高品質!楽しい走り!やっぱりMINIがいい!

visual model : MINI Cooper 3 Door

写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2022年4月号の内容です)
※中古車参考価格はすべてグーネット2022年2月調べ。

やっぱり、MINIがいい。そんな声が聞こえてくる。コンパクトで走りが楽しいクルマはほかにあっても、クラシック・ミニから受け継がれたスタイルは唯一無二。それでいながら、じつは新しいMINIは、いろいろと変わっている。時代や価値観の変化に合わせ進化を続けているのだ。だからこそ、MINIはずっと魅力的なままなのだろう。

この記事の目次

圧倒的なキャラと高品質感で、いまやオトナに大人気なのです

文●大音安弘 写真●内藤敬仁、澤田和久、ユニット・コンパス 
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。

変わらず愛らしいフォルムと走りの世界を守りつつ、一方で時代に合わせて進化を続けているのがMINI。ここでは2001年の登場から歩んできたMINIの歴史を振り返りつつ、マイナーチェンジによって進化した現行モデルの魅力をお伝えする。

絶え間ない進化によって愛され続けるMINI

 愛車選びにも一目惚れがあるが、MINIほど多くの人を恋に陥れたクルマはないかもしれない。それを裏付けるように、輸入車でのブランド別年間登録台数は、05年以降トップ3の常連であり、なんと16年から6年連続1位を独走中なのだ。
 元々、日本はオリジナルのクラシック・ミニの時代から熱心なファンであった。それを物語るエピソードとして、モデル末期のクラシック・ミニの多くが日本向けだったと伝え聞く。しかし、クラシック・ミニは、新車といえど、基本設計は40年も前のもの。維持しやすい1台とは言い難い新品のクラシックカーとなっていた。それだけに、当時、二の足を踏んだ人も多かった。
 現代のMINIは、その世界観を受け継ぎながら、BMWが小さな高級車として生まれ変わらせたもの。そのねらいは、伝説の英国車をBMWが持たない小型車クラスを担う存在に成長させることに加え、BMW初のFF車への挑戦という命題も負っていた。そのため、MINIらしさとともにBMWに迫る品質と機能も追求された。その結果、高価にはなったが、魅力的な小型車となり、かつてのオーナーや憧れたファンを取り込むことにも成功。より多くの人に愛される存在へと成長した。
 そのMINIも導入開始から、約20年と3世代の歴史を築いてきた。もはや、新参者ではなく、立派なクラシックの後継車である。ここまでMINIが発展できたのは、伝統を守りつつ、変化を恐れなかったことだろう。当初は、オーソドックスな3ドアとコンバーチブルから始まったが、第2世代からは、現代的な解釈も加えたステーションワゴン「クラブマン」に加え、異色のSUV「クロスオーバー」も送り込んだ。スペシャルティな「クーペ」、そのオープンの「ロードスター」、2ドアクロスオーバーの「ペースマン」は成功とは言い難いが、MINIの自由な精神をアピールすることに一役買い、MINIワールドの魅力を高めてくれた。
 現行型となる3世代目は、MINIファミリーの完成形が目指され、スタンダードな「3ドアハッチバック」、実用性を高めた「5ドアハッチバック」、ステーションワゴン「クラブマン」、SUV「クロスオーバー」の4モデルから構成される。
 その最新版となるハッチバックシリーズは、21年のマイナーチェンジでデザインを刷新。クラシック感を薄め、よりポップさを増すことで、時代の最先端を追うMINIを見事に表現している。
 しかし、抜け目ないのが、走りや乗り心地の熟成をしっかりと図り、乗れば安らげる高級車に仕上がっていることだ。もちろん、ドライバーが鞭を打てば、伝統のゴーカートフィーリングの鋭い走りも顔を出す。姿こそ変われど、今もMINIらしさは健在だ。
 MINIは、クルマではあるが、同時に進化するカルチャーでもある。単に可愛いだけでなく、変化を恐れず、刺激にあふれた存在。だからこそ、多くの人を魅了し続けるのだ。

[PROFILE]自動車ジャーナリスト 大音安弘
好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車はすべてMT車。

【MINI クーパー 3ドア】ブランドを牽引する伝統の3ドアハッチバック

 往年のMINIスタイルを色濃く受け継ぐのが、3ドアモデル。BMW MINIとなり、バリエーションが拡大されても、根強い人気を誇る。21年の改良では、外装を中心に、未来のMINIの世界観を先取りするイメチェンを図り、よりポップなデザインに。走りの面では、伝統のゴーカートフィーリングを色濃く受け継ぎ軽快そのものだが、熟成の結果、快適性も高まっている。豊富なオプションによるカスタマイズの愉しさも魅力のひとつだ。

MINI クーパー3ドア(7速AT・DCT) ●全長×全幅×全高:3865×1725×1430mm ●ホイールベース:2495mm ●車両重量:1210kg ●エンジン:直3DOHCターボ ●排気量:1498cc ●最高出力:136ps/4500rpm ●最大トルク:22.4kgm/1480-4100rpm ●新車価格:289万円~401万円(3ドアハッチバック JCWを除く)

クラシックスタイルのコックピットにデジタル技術を積極的に投入し、未来感も演出。それでも基本的な機能はスイッチで直感的に操れるようにしてあり、使いやすい。クーパー以上は、ナビも標準だ。
小さなキャビンを最大限快適に使うべく、伝統の4座を継承。シートの快適性も高く、ロングランでも疲れにくい。ラゲッジは床下収納付きで、見た目よりも積める。全車ターボなので、ONEでもよく走る。

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【MINI クーパーD 5ドア】伝統のスタイルを守りつつファミリーユースに対応

 3ドアの世界観をしっかり受け継ぎつつ、愛嬌を感じるダックスフンドスタイルに仕上げた5ドアモデル。単なる後席ドア追加仕様ではなく、70mmのロングホイールベース化することで、後席足もとスペースを拡大し、MINIの実用性も高めている。それでも全長は4mほどなので、扱いやすいサイズのまま。走りは、3ドアより安定志向なので、その点も含め、ファミリーカーにも最適。やや後席ドアが小ぶりとなるが、それもご愛嬌だ。

MINI クーパーD 5ドア(7速AT・DCT) ●全長×全幅×全高:4025×1725×1445mm ●ホイールベース:2565mm ●車両重量:1290kg ●エンジン:直3DOHCディーゼルターボ ●排気量:1496cc ●最高出力:116ps/4500rpm ●最大トルク:27.5kgm/1750-2250rpm ●新車価格:306万円~431万円(5ドアハッチバック 全グレード)

内外装デザインは、3ドアと共通だが、単なるストレッチ版と思ったら大間違い。5人乗り化やラゲッジ容量の拡大など、しっかりと機能が磨かれているのだ。

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【MINI クーパーS コンバーチブル】優雅で遊び心あふれるオープンエアモデル

優雅さと遊び心を両立するのがコンバチだ。電動ソフトトップを開ければ、頭上には大空が広がる。ユニオンジャック柄のソフトトップが選べるのもMINIらしいところ。オープン化の機構により、少しタイトとなる後席とラゲッジに目がつぶれれば、最高の愛車となるだろう。

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痛快無敵の“JCW”は病みつきのゴーカートフィーリング

文●大音安弘 写真●内藤敬仁、澤田和久、ユニット・コンパス
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。

ミニ伝説誕生のキーパーソンであるジョン・クーパー氏のDNAを受け継ぐMINIブランドきっての高性能シリーズがJCW。スポーティで上質でもある、大人のためのスポーツモデルだ。

純度の高い走りで乗り手を刺激するJCW

 JCW(ジョン・クーパー・ワークス)は、MINIのフラッグシップスポーツだ。
 名称に含まれる「クーパー」は、クラシック時代から使われるスポーツグレードだが、あまりにも有名過ぎて「ミニクーパー」という車名と勘違いする人がいたほど。その歴史は、クラシック初期となる60年代まで遡る。MINI設計者アレック・イシゴニスの友人であり、レーシングカーの技術者であったジョン・クーパーが、MINIの運動性能の高さに目を付け、スポーツモデルの開発を提案したことに始まる。そのモデル名が「クーパー」で、より高性能なものは「クーパーS」となった。MINIとなった今も、グレード名として使われているが、本来は、モータースポーツを楽しむ高性能なMINIを指すものであり、現在のシリーズとは、やや立ち位置が異なる。かつての60年代の初期クーパーシリーズに近い存在が、今のJCWなのだ。
 そんな現代のJCWの歴史は、初代MINIからスタートするが、当初はクーパーおよびクーパーS用のチューニングキットとして提供されたが、コンプリートカーとなる限定車も登場した。第2世代では、いよいよカタログモデル化され、ハッチバックに限らず、多角化されたMINIモデルにも展開。やがてATも追加されるなど、活躍の幅を広げていった。
 もちろん、現行世代にもJCWは幅広く設定されており、3ドアハッチバックとコンバーチブル。そして、クラブマンとクロスオーバーの計4車種がある。トレードマークは、チリレッド。ハニカムメッシュのフロントグリルに凛と添えられたストライプをはじめ、ルーフやドアミラーなどのパーツを彩る。あえて控えめなエアロをまとうのも、JCW流。しかし、じっくりと見入れば、リアバンパーに収まった太いエキゾーストパイプや強力なブレーキシステム、大径タイヤなどが高性能車であることを物語る。
 JCWは、メカニズムの差で大きくふたつに分けられる。前者はショートボディのFF車で231馬力/32・6kgm仕様となり、後者はロングボディの4WD車で306馬力/45.9kgm仕様なのだ。さらにそれぞれボディ形状も違うため、4車種それぞれキャラクターも独立している。やはりスポーツカーなので、MTを選びたくなるが、今は8速ATのみというのは、ちょっと寂しいところ。
 しかし、その走りは痛快の一言。アクセルONで体感できる力強い加速は、まさに猪突猛進。エキゾーストも勇ましく、気分を盛り上げる。もちろん、ハンドリングマシンと謳われたクラシックの末裔だけに、直線番長なんてことはなく、伝統のゴーカートフィーリングを受け継いだ切れ味鋭いコーナリングで、ドライバーを楽しませてくれる。JCWは、極めて刺激的なホットハッチなのだ。
 最大の難問は、いずれのモデルを選ぶべきか。ただ最良の選択を導き出すのは、オーナーとなるあなたに委ねたい。何よりもJCWを選んだことが、大正解なのだから……。

【MINI ジョン・クーパー・ワークス】モータースポーツの刺激を路上で楽しめる3ドアJCW

 MINIシリーズの最高峰として君臨するJCW。その象徴的存在が、3ドアハッチバックだ。モダンとなった最新型と基本を共有するが、そのスタイルは、あえてクラシック調とし、60年代のモータースポーツシーンを席巻したクーパー伝説を語り継ぐ。エアロをはじめ、エンジンスペックや足まわりなどをJCWチューンにより、大幅に強化。セミバケットシートを備える車内に収まれば、刺激的なサウンドが響き、JCWの世界に引き込まれる。

MINI JCW(8速AT) ●全長×全幅×全高:3880×1725×1430mm ●ホイールベース:2495mm ●車両重量:1290kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1998cc ●最高出力:231ps/5200rpm ●最大トルク:32.6kgm/1450-4800rpm ●新車価格:487万円(JCW)

黒を基調としたシックな内装だが、赤の照明をアクセントカラーに取り入れることで、レーシーな雰囲気に。
英国モータースポーツカラーをモチーフとしたグリーンは、JCW専用色。FFとなるハッチに最適化された2.0Lターボは、クーパーS比で39馬力/4.0kgmの性能向上を図る。さらに排気音もまるで別物。

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【MINI ジョン・クーパー・ワークス クラブマン】ファミリーカーと思わせつつシリーズで最も高性能

 ワゴンスタイルの万能選手クラブマンは、意外にもJCWのなかで、最も高性能。SUV「クロスオーバー」と同じくハイチューンエンジン+4WDの仕様だが、より重量が軽く、低重心なため、0ー100km/h加速4.9秒とカタログモデルのJCWのなかでトップ。JCWに共通するが、フラッグシップモデルであり、快適装備も充実。JCWチューンで過激な一面も持つが、乗員定員とワゴン機能はベースと共通なので、まさにクルマ好きのパパママにも最適な1台。

MINI JCWクラブマン(8速AT) ●全長×全幅×全高:4275×1800×1470mm ●ホイールベース:2670mm ●車両重量:1600kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1998cc ●最高出力:306ps/5000rpm ●最大トルク:45.9kgm/1750-4500rpm ●新車価格:577万円(JCWクラブマン)

JCW共通のセミバケットシートはホールド性と快適性を両立。クロスオーバーを含め、ワゴン系は4ドアの5人乗り仕様となるので、使い勝手もいい。
アイコニックな観音開きのテールゲートを開くと、標準時360L~最大1250Lのラゲッジが広がる。刺激的なMINIの走りを楽しみながら、荷物もドーンと積み込めるのが魅力。
MINI最強スペックの2.0Lターボと4WD、強力なブレーキの組み合わせは、まさにBMWのM系とも共通する考え方であり、性能と安全面の高バランスをねらっているのだ。

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ストリートカルチャーから生まれた英国テイストの限定モデル[MINI BRICK LANE EDITION]

文●ユニット・コンパス  写真●MINI

通常モデルとは異なるユニークなルックスをまとう限定モデルはそのときにしか手に入らないレアモデル。今回の限定モデルも見逃せない個性の持ち主だ。

ロンドンのストリートカルチャーから着想

 いまや国を越えて愛されるインターナショナルな存在となったMINIだが、やはりルーツである英国とのマッチングは格別。個性を主張する際にも、どこか抑制のきいたアンダーステイトメントな手法がよく似合うのだ。今回登場した限定モデル「ブリック・レーン・エディション」はまさにその好例だろう。
 英国ロンドンにおいてストリートアートの聖地として知られる「ブリック・レーン」。限定車をデザインするにあたっては、街が発する自由な創造性や力強さ、活気にあふれるカルチャーにインスパイアされた。
 クーパー3ドア(180台限定)はホワイトシルバーM、クーパーD 5ドア(300台限定)はムーンウォーク・グレーM、クーパーD クラブマン(180台限定)はエニグマティック・ブラックMのボディカラーを採用。それぞれにアクセントカラーとしてモデルごとに異なるブルーを取り入れている。新車装着としてMINI初となる、常時ロゴが上向きになるホイールセンターキャップもユニークなアイテムだ。
 高いデザイン性に加えてACCなどの安全装備が充実しているのもポイント。価格は433万円から481万円となっている。

ルーフには専用色となる「サン・マリノ・ブルー」を採用。アクセントカラーのブルーは、モデルによってトーンが異なるというこだわりよう。ボディやインテリアの各所に「BRICK LANE」を象徴するエンブレムを配置し、特別感をアピール。

小さな小型車が世界一になったときクーパーの名はMINIそのものになった[HISTORY OF MINI COOPER]

文●ユニット・コンパス  写真●MINI

MINIは、世界で最も知名度の高いクルマのひとつ。でもなぜか人々はMINIのことを「ミニクーパー」と呼ぶ。その理由は約60年前の出来事がきっかけだった。

小さなエコカーが本格スポーツカーに勝利

 MINIほど知名度の高いクルマもそうそうない。それなのに、こと車名となると、意外に間違えて覚えられているのだからおもしろい。そう、「ミニクーパー」の話だ。
 モデル名は、たとえば「MINI3ドア」で、「クーパー」はあくまでもグレード名だ。でも人々はMINIを「ミニクーパー」と呼ぶ。
 そんな「クーパー」の名が知れ渡るきっかけとなったのは、F1をはじめとするレースで活躍した伝説のエンジニアであるジョン・クーパー氏による奇想天外な提案だった。クラシック・ミニ(1959年)でレースに参戦しようとメーカーに呼び掛けたのだ。ミニは当初、経済危機への対策として、燃費に優れる経済的な小型車として開発されていた。だがクーパー氏は、秘められたポテンシャルの高さを見抜いていた。そして参戦から3年目の1964年、彼が手掛けた「クーパーS」は、並みいる本格スポーツカーたちを退けモンテカルロラリーで初優勝。その後も2回にわたり制覇し、「ミニクーパー」の名前は世界中に轟いた。
 その関係性は、現在のMINIの時代になっても変わらない。人々は愛情と敬意を込めて、MINIを「ミニクーパー」と呼ぶのだ。

まるでゴーカートのようにキビキビと曲がるコーナリング性能を生かしてラリーレースで大活躍したクラシック・ミニ。エンブレムには、チャンピオンの証である月桂樹があしらわれている。
左上から時計まわりにオリジナルとなるクラシック・ミニ クーパー、初代MINI クーパー(2001年~)、2代目MINIクーパー(2007年~)、3代目MINI クーパー(2014年~)。特徴が受け継がれているのがよくわかる。

ゴーカートフィーリングをあらゆる状況で楽しめる「ALL4」[SNOW DRIVE WITH ALL4]

文●ユニット・コンパス  写真●MINI

キビキビした元気のいい走りをするイメージの強いMINIだが、いまや活躍するシーンは街中やワインディングだけではない。あらゆる状況で最適な走りを提供する4WDシステム「ALL4」を紹介。

路面状況に応じてシステムが駆動力を変化

 どんな路面状況でも安全で楽しい走りを提供してくれるのが4WDシステム。MINIというと前輪駆動モデルのイメージが強いが、幅広いライフスタイルとシーンに対応するべく4WDシステムも用意している。それが、クロスオーバーとクラブマンにラインアップされる「ALL4」。
 「ALL4」の特徴は、路面状況に合わせてシステムが前後のタイヤに最適な力を配分すること。普通の路面では前輪のみを動かし、楽しく無駄のない走りを実現。一方で滑りやすい路面状況になったときには、自動的に後輪にも駆動力を分配。そうすることで車体を安定させ、安心感ある走りを可能にする。
 つまり「ALL4」は、季節や路面を選ばず大活躍するというわけだ。

シリーズで最高峰の走りを提供するJCWに「ALL4」が存在することが、走りの楽しさと両立することの証明となる。コンパクトSUVのクロスオーバーとの組み合わせは、まさに万能選手だ。

クラシック・ミニを電気自動車にコンバートするプロジェクト[CLASSIC Mini MEETS BATTERY]

文●ユニット・コンパス  写真●MINI

MINIにとってブランドの根元となるクラシック・ミニ。電動化が求められる時代にクラシック・ミニを残す活動が英国で始まった。

1台の手作りモデルから始まったプロジェクト

 MINIのオリジンであるクラシック・ミニを、博物館ではなく現実の路上を走るクルマとして未来へ残したい。そういった想いから始まったのが、クラシック・ミニを電気自動車へとコンバートする「リチャージ・プロジェクト」。
 2018年にワンオフモデルとして作られた最初の1台がニューヨーク・オートショーで披露され、非常に好評を博したことでこのプロジェクトは新しい展開を迎えることになる。それは、クラシック・ミニを所有するユーザーに対して、サービスとしてコンバージョンを提供しようというアイデアだ。
 このプロジェクトで大切なのは、オリジナルへの敬意。そのため、改造作業にあたっては、できる限りオリジナル状態を尊重し、将来的に元に戻せるよう工夫されている。取り外されたエンジンなどの内燃機関パワートレインも、ナンバリングして保管するという徹底ぶりだ。
 本国のMINIブランド責任者であるバーンド・コーバーは、プロジェクトについて次のように述べている。
 「プロジェクトチームが開発しているのは、クラシック・ミニの個性を保ちながら、そのファンが電動化によるパフォーマンスを楽しめるようにするものです。MINIリチャージは、MINIの過去と未来をつなぎます。」
 本質を引き継ぐために、クラシック・ミニは未来へと遺される。

オリジナルを極力尊重しながら、パワートレインをモーターとバッテリーへと置き換える「MINIリチャージ」。モーターの最高出力は122馬力で、航続距離は最大で160km。時速100kmまで約9秒で加速する。
英国オックスフォードのプロジェクトメンバーたち。プログラムは現在のところ英国のみで実施されている。改造された「MINIリチャージ」には個別のナンバーが与えられ、市販のBEVと同様に扱われる。

予算別MINI攻略法[USEDCAR CHECK]

文●ユニット・コンパス
※中古車参考価格はグーネット2022年2月調べ。
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。

BMW製になってから3世代にわたり販売されているニューMINI。「今の予算でどの世代が買えるの?」そんな疑問にお答えすべく、今回は予算別にMINIの買い方をご紹介!

【100万円以下】初めての輸入車にもぴったり

MINI 3ドア(先代):先代3ドアは価格も安価で買いやすい

 豊富なボディタイプとグレードを持ち、簡単なようで難しいのがMINIの選び方。ニューMINIも、中古車を調べてみると価格はピンキリなので、正しいクルマ探しが大変なのだ。今回は予算に焦点を絞ってMINIの中古車を紹介したい。
 まずは100万円以下で買えるMINI。輸入車といえども比較的リーズナブルに買えるモデルゆえ、年式が古いものなら100万円以下の物件は非常に多い。そのなかでもベーシックな先代3ドアは、コンディションが良好なモデルが手頃な価格で手に入ることもあり、初めての輸入車選びにもぴったりの1台。
 先代3ドアは、走りのよさはそのままに、初代から一段と質感が高められたのが特徴。トランスミッションはMT、ATともに選べるが、MTの中古車は1割程度と少ない。グレードは大きく分けて「ワン」、「クーパー」、「クーパーS」が存在するが、中間グレードの「クーパー」が半数近くを占めている。グレード間の価格差は少ないため、ねらうなら「クーパー」または「クーパーS」。特に後者は1.6Lターボで175馬力(初期型)を発揮し、ホットハッチとしても楽しめる。自分にぴったりのMINIを探しだそう。

中古車参考価格帯:30万円~210万円(07年~13年 ※JCWを除く)

グレード別物件比率

ワン:19%
クーパー:47%
クーパーS:34%

 先代は、日本市場ではガソリン車のみ。最も多いのが「クーパー」で、全体の47%を占める。一方、「ワン」は19%しかなく、中古車としてはやや探しにくい状況だ。

MINIといえば大きなセンターメーターを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。3ドアゆえ不便なところもあるが、独特の雰囲気が大きな魅力。
2010年にはマイナーチェンジを受けて内外装に手が入った。撮影車は後期型のクーパーS(2012年式)。最高出力184馬力/最大トルク24.5kgmを発揮する。分割可倒式リアシートにより、荷室を拡大することも可能。

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MINI クロスオーバー(先代):後席ドアを備えることで実用性を高めた新しいMINI

 MINIクロスオーバーは後席ドアを備えている。3ドアだとファミリー層での使い勝手は厳しいが、クロスオーバーならばそんな心配も無用だ。また、先代3ドアには設定されないディーゼルや4WD(ALL4)が設定されるのもトピック。中古車物件は充実しており、現在は100万円以下の予算でも幅広くねらえる。ベーシックな「ワン」は少ないが、ガソリン、ディーゼルとも流通する。ただし予算100万円以下ならディーゼルは予算超えになるかも。

中古車参考価格帯:50万円~250万円(11年~17年 ※全グレード)

グレード別物件比率

ワン:8%
クーパー:30%
クーパーS:28%
クーパーD:23%
クーパーSD:11%

 グレードで最も多いのが「クーパー」。その後に「クーパーS」、「クーパーD」が続く。一方でエントリーグレード「ワン」が全体の1割程度しか流通していない。

3ドアよりもホイールベースが長く、後席の居住性は3ドアと比べて桁違い。天地方向にもゆとりがあるので、決して広くはないがファミリーカーとして使える。シートバックをたたむことで大きな荷物も搭載可能。
パワートレインは1.6Lが中心で、写真のクーパーSは184馬力を発揮する。6速MTを選べるので、走り好きにもぴったり。

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【100万円~200万円】この予算なら現行型にも手が届く!?

MINI クラブマン:ちょっとリッチでコンパクトなワゴン

 4ドアの実用性を持ちながらMINIならではのコンパクトさを両立するのがクラブマン。2代目は2015年に登場し、内外装の質感をさらにアップ。リアは観音開き式ドアを採用し、狭い場所でも荷物の出し入れに便利である。後席へのアクセスはクロスオーバー並みに優れており、こちらもファミリーカーとして使える。現行型ゆえ相場は高めだが、2015年~2016年式ならば200万円以内でねらえる。ディーゼル搭載車が半数近くを占める。

中古車参考価格帯:50万円~250万円(11年~17年 ※全グレード)

グレード別物件比率

ワン:3%
クーパー:24%
クーパーS:26%
クーパーD:28%
クーパーSD:19%

クーパーSは2L直4ターボを搭載し、192馬力を発揮。高級感あふれるレザー内装も見どころ。荷室は最大1250Lを確保する。

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MINI クーペ:MINIシリーズでも特にスポーツ色の強い1台

 すでに生産終了しているが、2011年~2015年に2ドアクーペが存在していた。重心が低くコンパクトなクーペボディは、MINIの持ち味である走りの楽しさを存分に味わえる。残念ながら中古車は少なくなっているが、100万円台の予算から購入可能。状態のよい物件もまだ流通している。

中古車参考価格帯:100万円~230万円(11年~15年 ※JCWを除く)

グレード別物件比率

クーパー:49%
クーパーS:51%

 JCWを除けば、「クーパー」と「クーパーS」で展開されたクーペ 。どちらも1.6Lエンジンを搭載するが、後者はターボにより184馬力を発揮。中古車の在庫は同程度だ。

1380mmの全高は3ドアよりも低く、その分室内はスポーツカー寄り。運転を楽しみたい人向けのモデルだ。

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MINI 3ドア:現行型3ドアも100万円台からOK

 登場から8年が経過し、高値安定の現行型も価格が下がっている。全体の4割程度の物件が200万円以下の予算で購入可能。この世代ではディーゼルも選べるようになったが、やっぱり一番人気はスポーツモデル「クーパーS」。トランスミッションは6速MTも選べるが、全体の5%に留まる。

中古車参考価格帯:90万円~400万円(14年~22年 ※JCWを除く)

グレード別物件比率

ワン:9%
クーパー:26%
クーパーS:39%
クーパーD:13%
クーパーSD:13%

 最も豊富なのが「クーパーS」で、全体の4割を占める。こちらもエントリーグレード「ワン」の割合が少なめ。また、ディーゼルエンジンの比率も低く、3割未満となっている。

従来センターメーターだった場所にナビなどを表示する液晶モニターを搭載。運転支援システムも採用。

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【200万円以上】潤沢な予算でねらう最上級のMINI選び

MINI クロスオーバー:ワンランク上の車格でプレミアム性をアップ

 2代目クロスオーバーは、先代から全長を20㎝ほど伸ばし、幅もワイドになった。Cセグメント級のボディサイズを獲得したことで、プレミアム性をグッと高めているのが特徴。またガソリン、ディーゼルに加えてPHEVを設定する。いずれのモデルもMINIらしいスポーティな走りは健在だから、旧来のファンも安心だ。新しいモデルゆえ相場は高めで、最低でも200万円は用意したい。予算にゆとりがあるなら積極的に選びたいMINIである。

中古車参考価格帯:210万円~560万円(17年~22年 ※JCWを除く)

グレード別物件比率

ワン:1%
クーパー:3%
クーパーS:5%
クーパーS E:13%
クーパーD:63%
クーパーSD:22%

 先代はガソリンの比率が大きかったが、現行型はディーゼルの割合が8割を占めている。また、PHEV(クーパーS E)は全体の5%程度となっている。

先代と比べてさらに広く快適になったMINI。アウディQ3などと比べても遜色のない走りと質感である。

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MINI ジョン・クーパー・ワークス:ハイパフォーマンスを体感できるJCWシリーズ

 ジョン・クーパー・ワークス(JCW)は、MINIのハイパフォーマンスモデルに位置付けられる。専用内外装、足まわり、高性能なエンジンが与えられ、MINIが持つ高いシャシー性能を限界まで引き出してくれる。現行型は3ドア、クラブマン、カブリオレ、クロスオーバーの4ボディに設定されるが、中古車で多いのは3ドア。こちらは231馬力の2L直4ターボを搭載する。300万円台半ばの予算があれば幅広い物件から探せるだろう。

中古車参考価格帯:220万円~600万円(14年~22年 ※JCW現行型全ボディタイプ)

グレード別物件比率

3ドア:65%
クラブマン:17%
カブリオレ:11%
クロスオーバー:7%

 現行型のみの集計だと3ドアが全体の7割弱を占めている。次いでクラブマンが多い。なお、スポーツモデルであるが、MTの割合は全体の1割程度に留まっている。

231馬力(クラブマンとクロスオーバーは306馬力)を発揮する2Lターボを搭載。内装もアグレッシブ。

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クラシック・ミニはプレミアが付いてる?

 オリジナルのミニは、個体によって価格差が激しく異なる。多くの物件は90年代以降となるが、概ね200万円前後の予算があれば良質な車両が今でも入手できる。フルレストアされたものは400万円近くの価格が付けられていることも。

中古車参考価格帯:80万円~390万円(89年~01年 ※全グレード)

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