ノエビアグループは、皮膚細胞の老化抑制に重要な長寿遺伝子SIRT1(サートワン)の活性化に不可欠であるNAD+(エヌエーディー)(※1)を増やす方法について研究を重ね、NAD+の量がノンコーディングRNA(※2)(※3)であるmiR-34aとHOTAIRにより調節されることを明らかにしました。また、自社農場「北海道暑寒別岳パイロットファーム( https://www.noevir.co.jp/about/farm/ )」で有機栽培した植物エキスのローマンカモミールとジャーマンカモミールがmiR-34aとHOTAIRの量を変化させ、NAD+を増やすことを見出しました。この研究成果を2021年12月1日~3日に開催される「第44回日本分子生物学会年会」にて発表いたします。
*より詳細な研究成果はこちらよりご覧ください。
https://www.noevir.co.jp/about/herbal/nad.htm
※1 NAD+:ビタミンから作られる補酵素。加齢とともに産生能力は低下し量が減少する。
※2 RNA :DNAを鋳型として合成され、その遺伝情報の伝達やタンパク質の合成を行う核酸。
※3 ノンコーディングRNA:タンパク質に変換されないRNAの総称。後天的に遺伝子のはたらきを調節するエピジェネティクス研究においても注目されている。
【研究背景】
<若々しい肌を保つSIRT1の活性化に不可欠なNAD+に着目>
SIRT1は生物の老化を防ぎ寿命を延ばすことから長寿遺伝子と呼ばれています。SIRT1を活性化することにより、多くの老化要因が抑えられ、若々しい肌が保たれると考えられています。SIRT1の活性化にはNAD+が不可欠です。しかしながら、NAD+は加齢とともに減少するため、皮膚細胞のNAD+を増やし、老化を抑制する方法について研究を行いました。
【研究成果】
1. 老化によりNAD+は減少し、ノンコーディングRNAの量が変化することを確認
老化によるNAD+とノンコーディングRNAの変化を解析したところ、皮膚細胞が老化すると、NAD+の減少と同時にmiR-34aが増加し、HOTAIRが減少することが分かりました。
2. 老化によりNAD+が減少するメカニズムの一端を解明
RNA操作技術により細胞中のmiR-34aを増やしたり、HOTAIRを減らしたりすると、研究成果1の結果と同様に、どちらもNAD+が減少しました。さらに、HOTAIRを減らすとmiR-34aが増加したことから、老化した皮膚細胞では、HOTAIRが減少し、miR-34aが増加することで、NAD+が減少することが分かりました。
よって、miR-34aは老化を促進し、HOTAIRは老化を抑制するはたらきがあることが明らかになりました。
3. NAD+を増やす植物エキスを発見
有用な植物エキスの探索を行ったところ、ローマンカモミールとジャーマンカモミールから抽出したエキスには、HOTAIRを増やし、miR-34aを減らすことで、NAD+を増やすはたらきがあることが分かりました。皮膚細胞のNAD+を増やすことで、長寿遺伝子SIRT1を活性化させ、若々しい肌へと導く効果が期待できます。
■ローマンカモミール(画像左)
キク科カミツレ属 和名:ローマカミツレ
ヨーロッパ原産の多年草。リンゴのような香りで水蒸気抽出することで精油としても用いられます。
■ジャーマンカモミール(画像右)
キク科シカギク属 和名:カミツレ
ヨーロッパ原産の一年草。民間薬として古くから親しまれ、ハーブティーとしても飲まれています。
【今後の展開】
ローマンカモミールとジャーマンカモミールの植物エキスには、お肌の老化を予防し、ハリのあるつややかな肌へと導く効果が期待されます。今回の研究成果から、自社農場「北海道暑寒別岳パイロットファーム」にてローマンカモミールとジャーマンカモミールを有機栽培し、製品化に応用しています。今後もさらに最先端の皮膚科学研究と植物研究に取り組み、植物のちからを美しさにいかした化粧品開発に努めてまいります。
からの記事と詳細 ( 老化抑制に重要な長寿遺伝子「SIRT1」の活性化に欠かせない「NAD+」の量を増やす2つの植物エキスを発見 ~第44回日本分子生物学会年会にて発表~ - アットプレス(プレスリリース) )
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