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Thursday, December 2, 2021

楽しみ仕掛けて30周年 横浜のミニシアター「ジャック&ベティ」 記念企画作品を18日から上映 - 東京新聞

昔ながらの雰囲気を残す館内を紹介する梶原さん=いずれも横浜市中区で

昔ながらの雰囲気を残す館内を紹介する梶原さん=いずれも横浜市中区で

 横浜市中区のミニシアター「シネマ・ジャック&ベティ」が21日、オープンから30周年を迎える。製作に関わった記念企画作品を今月から上映予定。また、4日に市内で行われる「よこはま運河チャレンジ2021」では、アニメ作品の野外上映をする。支配人の梶原俊幸さん(44)は「これからも時代のニーズに合わせて映画ファンに楽しんでもらう仕掛けをつくりたい」と話している。(志村彰太)

 九十六席の「ジャック」と百十五席の「ベティ」(他に車いす席各一席)。二つのスクリーンを持つ同館は一九五二年、同区若葉町の米軍飛行場跡地に、前身の「横浜名画座」として開館。九一年の建て替えを機に現在の名前になり、二〇〇七年から梶原さんが経営を引き継いだ。三十周年に続き、来年は名画座から数えて七十年、経営が代わって十五年の節目となる。

30周年を迎える「シネマ・ジャック&ベティ」

30周年を迎える「シネマ・ジャック&ベティ」

 梶原さんは慶応大卒業後、学習塾勤務を経てIT企業に入社。〇六年から友人の縁で、違法風俗店を県警などが一掃した後の同区黄金町の街づくりに関わるようになった。当時、違法店はなくなったものの街は閑散とし、梶原さんは黄金町から近い同館を使ってイベントを開くなどしていた。

 間もなく、同館の運営会社から「経営を継がないか」と打診された。横浜は数々の新作が封切られる「映画の街」だったが、昔ながらの映画館は次々に閉鎖しており、「横浜の財産を守りたい」と引き受けた。

 大手の映画館が上映しない作品を集め、コアな映画ファンをつかむと同時に、監督や出演者によるトークショーや交流会を開くなど、独自性を発揮。昨年からの新型コロナウイルスの影響で、休館や観客数の制限など「今までで一番厳しい状況」に見舞われているが、交流会をオンラインで行うなどの工夫を重ねる。

記念企画作品「誰かの花」のワンシーン(©J&B30製作委員会、シネマ・ジャック&ベティ提供)

記念企画作品「誰かの花」のワンシーン(©J&B30製作委員会、シネマ・ジャック&ベティ提供)

 三十周年の記念企画作品「誰かの花」(百十五分)は、三年ほど前に製作・配給会社「ガチンコ・フィルム」から提案され、同館も製作委員会に名を連ねた。横浜がロケ地で、実家の団地を久々に訪れた主人公・孝秋と両親の関わりを描く。梶原さんは「しっかりとした余韻が残る、人間と向き合ったドラマだ」と話す。十八〜二十四日に先行上映を行い、一般公開は来年一月二十九日から。

 今月四日の「運河チャレンジ」では、午後五、六、七時に市役所前でアニメ作品「ハーバーテイル」を野外上映する。観覧無料だが、船上から見る場合は乗船券が必要。大岡川と中村川沿岸でスタンプラリーなどを開催している運河チャレンジは、前身のイベントから数えて九回目で、同館は今回初めて参加する。

 梶原さんは「新型コロナの影響が長引いているが、全国のミニシアターと連携して魅力を発信していくなど、末永く多様な映画を上映し続けたい」と話した。

 「誰かの花」についてはガチンコ・フィルム、映画のチケット購入はシネマ・ジャック&ベティ、運河チャレンジはNPO法人「HamaBridge濱(はま)橋会」の公式サイトに、それぞれ詳細が掲載されている。

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