古いクルマといえばパワーアシストなしの重たいステアリング、ヒーターしかない空調など現代の路上では不便を感じることが多い。しかし、それらはオーナーの創意工夫で解消することもできる。今回は旧ミニよりさらに古いモーリス・マイナーをDIYで近代化した例を紹介しよう。
今回紹介するのは2代目の戦後型で、年式は不明ながら非常に珍しいピックアップだ。ピックアップの特徴といえばキャビンのルーフを反転させることでオープンになる構造。とはいえ日本では数えるほどしか存在しないことだろう。
さすがにこれだけ古いクルマを今、普通に走らせるのは難しそうに思える。ところが群馬県の「道の駅おおた」で開催されたイベント(サンブレフェスタ)の会場で見つけたピックアップのオーナーは、サラッと「普通ですよ」と語ってくれた。
旧ミニにも採用されたAシリーズエンジンは948ccの排気量でしかないけれど、国産の軽自動車より排気量は上。そこで軽自動車用のコンプレッサーやコンデンサーなどを用いつつ、ステーや配管などを自作してマイナーでも使えるようにしてしまったのだ!
エアコンを備えた室内は本来シンプルな計器しか装備していないから、トラブルの早期発見が難しい。そこでメーターパネルを自作して速度計以外に水温や油圧などの各種メーターを追加している。それも古いメーターではない新しい信頼性のあるものを使っているところも実用性を重視した結果だろう。
これらだけでなく、改良の手は細部にまで渡っている。その例がドアライナー。おそらく痛んでボロボロだったのだろう。現在はアルミ板から作り出したオリジナルのものを装着している。これがまた雰囲気のあるもので、修理の技だけでなくデザインへのこだわりも感じられるのだ。
外装で見つけられる改良点はホイール。純正だと14インチの80偏平と交換タイヤを見つけるのすら難儀する。そこでスペーサーを自作してBBSのアルミホイールを履いている。外径こそ14インチのままだが、このホイールにしたため185/60という一般的なサイズにすることができた。またギア比が合っていないこともあり、デフをMGミジェットのものに変更している。これで周囲のクルマを気にせず走ることができるのだ。
左リヤタイヤの前にはサイド出しに変更されたマフラーを見ることができる。このようにオーナー自ら手を加えて楽しむスタイルも、古いクルマの楽しみ方のひとつといえるだろう。
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