ヴァレンティノはランウェー形式で新作を発表した。ショー会場は、コロナ禍で閉鎖されているミラノの歴史的な劇場、ピッコロ・テアトロ。背景の音楽は、英国出身の歌手コジマが切々と歌うボーカルや、ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団の弦楽のライブで、芸術活動の意義を訴えかけた。
作品は、超ミニ丈の作品が目立った。創業の地ローマの古典的なドレス風のロング丈もあったが、「あらゆるものを短くした」とブランド。
色もきっばりとした黒白の対比が多く、レースや切り込みなど凝ったディテールが、繊細なフェミニンさを加味する。長めのシャープな白い襟もポイント。ジャケットの代わりに、ふわりと柔らかいケープを羽織る。ケープもスカートも短い丈が潔い。
マイクロミニ丈とのバランスを取るのは、高いヒールのシューズやキルティング風の細工を施した厚底のロングブーツ。バッグにはパンク風のスタッズ。全体的に、ロマンチックで若々しく、パンチの効いたコレクションとなった。デザイナーは、イタリア出身のピエールパオロ・ピッチョーリ。(編集委員・高橋牧子)
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