【12月5日 Xinhua News】中国科学技術大学（University Of Science And Technology Of China）の潘建偉（Pan Jianwei）院士（アカデミー会員）らの研究チームはこのほど、多光子量子もつれ技術を利用して、分布型量子位相推定の実験検証を初めて実現させ、今後の量子ネットワークに基づく高精度量子センシング構築のために基礎を定めた。同大学への取材で分かった。この成果は国際学術誌「ネイチャーフォトニクス」に発表された。
分布型センシングは遠隔空間でのマルチノード精密測定を同時に行うことのできる重要な技術であり、生活、科学研究、工事などの分野での幅広い応用が可能だ。例えば、橋、航空機などの大型構造物の応力場分布、温度場分布のモニタリングに使える。
近年、量子科学技術の急速な発展に伴い、センシング技術も量子化時代に入り始めた。量子ネットワークは将来を見据えた重要な応用であり、各種の遠隔マルチノード任務を遂行することができ、複数の空間分布のパラメータについて測定を行う時、量子センシングは伝統的な統計の限界を超えた測定精度を実現することができる。しかし、分布型量子センシングは、最適な測定精度を実現できる量子もつれ状態をどのようにして選択し、調製するのかという技術的難題に直面していた。
潘氏らのチームはこのほど、新しい測定プランを編み出し、多光子量子もつれ技術に基づき、6光子干渉計の操作を通じ、複数の独立した位相シフトおよびその平均値の測定で実験デモンストレーションを行った。実験によると、分布型もつれ状態を利用して測定を行うことで、その精度は伝統的センサーの理論上の限界を超えることが明らかになった。光子もつれとコヒーレンスの組み合わせプランに基づき、チームは複数の空間位相シフトの線形結合測定でさらなる実験デモンストレーションを実施した。
潘氏のチームは、今回の研究でマルチパラメータの分布型量子センシングに関する原理的な実験検証を成功裏に実現した。もつれ構造が異なる状況の下での測定精度を評価、測定精度に対するもつれ構造の補強効果を検証し、資源利用率と測定可能なパラメータ数を高め、分布型量子センシングの実際の応用に向けて重要な一歩を踏み出した。
「ネイチャーフォトニクス」誌の査読者はこの研究を高く評価し、これは「里程標となる重要な業績だ」と称賛している。
(c)Xinhua News/AFPBB News
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December 05, 2020 at 12:08PM
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中国の研究者、分布型量子精密測定で重要な進展 - AFPBB News
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