ピレネー山脈に抱かれた標高1千メートルの小国家、アンドラ。フランスとスペインに挟まれ、観光収入を頼りにする人口8万人ほどの国民はいま、選択を迫られつつある。国の門戸を大きく開いて欧州連合(EU)との関係を深めるべきか、それとも――。(アンドララベリャ=疋田多揚)
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- 中世以来、スペイン側のカトリック教会司教区のウルヘル司教とフランス国王による共同主権のもと、自治が認められてきた。1993年に独立、国連にも加盟した。国土は東京23区より狭い468平方キロ。公用語はカタルーニャ語で、スペイン語やフランス語も通じる。通貨はユーロで軍隊はない。かつて「タックスヘイブン」(租税回避地)として知られ、中国マフィアの資金洗浄やスペイン政治家の資産隠しにアンドラの銀行が利用されたとも報じられた。税制改革を進め、18年にEUの租税回避地の「グレーリスト」から削除された。
6月1日、新型コロナウイルスの感染拡大で閉じられていたアンドラ国境が2カ月半ぶりに全面開通すると、山中のつづら折りの道路に数キロにわたる車列ができた。たばこやお酒、ガソリンなど、税率の低さで知られる同国で買い物しようとフランスから入国を目指す人々だ。
アンドラの首都アンドララベリャ。目抜き通りには電化製品、化粧品など「免税」をうたう店があふれる。ある免税店では、たばこ1カートン(10箱入り)が28・9ユーロ(約3600円)で山積みされて売られていた。フランスだと77ユーロ(約9500円)すると表示し、差額が強調されている。同国の消費税は4・5%。フランスでは20%だ。
アンドラはこうした低税率を生かした「観光」が基幹産業の一つだ。免税店などの商店は国全体の雇用の4分の1近くを占める。スキーリゾートも整備され、1年間で人口の100倍にあたる800万人の観光客が訪れる。
だが、隣国の景気に左右される経済体質は弱みでもあった。同国のランドリ・リバ欧州担当相は「2009年のリーマン・ショックの時は、あっという間に観光客が3分の2に落ち込んだ。こうした不況に耐えられるように産業を多様化することが課題だ」と話す。今回のコロナ禍でも、隣国との往来が途絶え、求職者は2月の300人から1700人へと膨れあがった。
アンドラがたどりついた答えは、これまで加盟してこなかったEUだった。4億5千万人の市場にアクセスできれば、観光以外の産業が育てられると踏んだ。
実際に加盟を検討したものの、「分担金も払えず、そもそも人口が少ないのでEUのさまざまな機関に人を送り込めない」(リバ大臣)と断念した。代わりにEUとアンドラの間で、貿易や人の行き来のルールなどを定める「連合協定」を結ぶことを決めた。
アンドラのメリットはEUへ輸出される品目が「EUの商品」とみなされ、関税がゼロになり税関手続きもいらなくなることだ。IT部品や義歯といった国内産業を育てやすくなると期待されている。交渉は2015年に始まり、85%ほど合意した。22年までの締結を目指す。
■「往来自由」で治安に不安 悩む国民
EUとの関係強化は、アンドラにとっていい話ばかりでもない。
往来の自由を基本理念にするE…
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July 29, 2020 at 11:00AM
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