東京五輪の準備状況を監督する国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ調整委員長が新型コロナウイルスの影響で1年延期された東京大会について、10月が開催可否を判断する重要な時期になるとの見通しを明らかにした。オーストラリアメディアなどが22日までに伝えた。
206カ国・地域から1万人を超える選手や関係者、6万人のボランティアが集まる大会と新型コロナの状況で直面する現実問題を指摘。ブラジルで1万人の新たな感染者が報告されるなど、世界的に封じ込めで成果を上げる国が多くない現状に触れ「ワクチンがないか、あっても世界中で共有するには十分でないことを想定する必要がある」とした上で再延期できないとの考えを改めて示した。
一方で「10月までにウイルスの封じ込めができても、根絶の兆しがなければ対応に取り組み始める」と発言。検討が必要な課題として(1)選手村の隔離(2)選手の検疫(3)会場の入場制限(4)取材現場と選手の分離を挙げた。「来年開催される前提で、さまざまなシナリオを用意する。これまでと全く異なる大会になるかも」と感染症対策が開催形態に影響を及ぼす可能性を指摘した。
また、延期決定が日本で感染が広がった後の3月下旬と遅れたことに今年最大の後悔だったと告白。状況を厳しく見守りながら開催可否の判断に備える。
大会組織委員会はコーツ氏の発言に「そのような話はない」と否定したが、国内の大会関係者の間では感染状況を踏まえ「年明けごろ」には開催可否を判断する必要があるとの見方も出始めている。
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