新型コロナウイルスの影響で、全国の映画館、とくにミニシアターの経営がかなり厳しくなっています。そのようななか、映画「SR サイタマノラッパー」シリーズや映画「AI崩壊」などを手がける映画監督・入江悠さんが、自身の公式ブログで「ミニシアターの支援」を呼びかけています。
シンガーソングライターのLOVEがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの生放送番組「LOVE CONNECTION」4月7日（火）の放送は、入江監督に電話をつないで「新型コロナウイルスの影響によるミニシアターの状況」「ミニシアターへの支援方法」などについて伺いました。
LOVE：入江監督から見た「今のミニシアターの状況」を教えてください。
入江：厳しいですね。ライブハウスや演劇の劇場も一緒ですが、ミニシアターも同様に、個人経営のところが多いので。一時休館に追い込まれて、“その後も復活できるかどうか……”という映画館が増えています。
LOVE：監督がミニシアターを支援したいという思いは、やはり、映画に携わる者としてですよね？
入江：そうです。もともと僕は、自主映画「SR サイタマノラッパー」（2009年公開）を全国の映画館で上映してもらったんです。そのときに、北海道から九州のミニシアターを回らせてもらい、各地のミニシアターの支配人など、いろんな方々に親しくしてもらいました。そのときにお会いした方々の顔を思い浮かべると、“なんとか応援できないかな……”という想いがあふれてきまして。
LOVE：全国にミニシアターがありますが、例えば東京のミニシアターでは、どのような支援方法がありますか？
入江：下高井戸にある「下高井戸シネマ」さんでは今、クラウドファンディング（限定特典付き会員募集）をおこなっています。いまは映画を観に行けなくても、先々のためにチケットを買っておくことができます。
入江：あとは、「ユジク阿佐ヶ谷」さん、「飯田橋ギンレイホール」さんとか、池袋の「新文芸坐」さんなども、年会員を募集しています。
LOVE：各ミニシアターさんが企画を立てて頑張っていますが、本来であれば全員一気に応援したいですよね。
入江：そうです。休業をせざるを得ない状況でも、家賃や人件費はかかるので、毎月の赤字が膨れ上がっていきます。そうなると、個人でやっている方は“もう復活できない……”という状況になってしまいます。本来であれば、休業補償が出るのが、一番いいと思うのですが……。
LOVE：もちろんそうですよね。なかなか難しい状況ではありますが……。今、#SaveTheCinema 「ミニシアターを救え！」というプロジェクトが立ち上がりましたね。
入江：はい。僕も呼びかけ人になっているのですが、俳優の柄本明さんや、さまざまな映画監督なども呼びかけ人となり、賛同者を募っています。
LOVE：入江監督のブログ「全国ミニシアターを応援したい／各劇場への支援方法」も素晴らしかったです。ぜひ、みなさんにアクセスしてほしいです。
LOVE：最後に、監督の思う「ミニシアターのよさ」は、どこにありますか？
入江：2つあります。
1つは「映画の多様性」です。“シネコン”と呼ばれる大きな映画館ではないミニシアターでは、特にドキュメンタリー映画がよく上映されます。ミニシアターでしか観られない、世界中のドキュメンタリーを観ることができます。
2つ目は、僕自身の経験ですが、映画館に行って人と話したりできる、“顔が見える映画館”だと思っているんです。例えば、“ちょっと疲れたな……”とか、“人生しんどいな……”と思ったときにミニシアターに行って、支配人の方に「なんかオススメの映画、ありますか？」とか聞いたりする、そういう楽しさもあります。
LOVE：すばらしい。私もなぜか、ミニシアターって、人生に少し疲れたときに行っていたような気がします。
入江：そうなんです。“公園”に行くような気持ちでいいと思うんですよね。もしくは、町の本屋さんとかですかね。“いつもそこに在ってくれる”というだけで、ちょっと救われる存在なんです。
LOVE：そうですね。きらびやかな場所ではなかったかもしれないけれど、私たちの心の豊かさに貢献してくれていたような場所に、もう一度スポットを当てられるといいですよね。
入江：本当にそうです。それは映画だけでなく、音楽や演劇、文化全般にそう言えると思います。
LOVE：入江監督、ありがとうございました。
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April 12, 2020 at 06:12AM
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ミニシアター存続の危機…「全国ミニシアターを応援したい」入江悠監督に訊く“現状・支援方法”（TOKYO FM＋） - Yahoo!ニュース
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