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Sunday, April 12, 2020

ミニシアターを救うために。現場からの声と、海外の事例を紹介 - CINRA.NET(シンラドットネット)

シネ・ヌーヴォ(大阪)の館内 撮影:井戸沼紀美

新型コロナウイルス感染症流行の影響で、映画館が苦境に立たされている。2月下旬頃から、チケットの払い戻し対応や、入り口でのアルコール除菌、スタッフのマスク着用などで感染拡大防止の施策を行なってきた劇場も多く存在する中、行政からの不要不急の外出自粛要請や、密閉、密集、密接の「3密」を避けるべきというアナウンス、そして4月7日の政府による緊急事態宣言により、いよいよ劇場の経営自体が危ぶまれているのだ。

既に休業を余儀なくされている映画館は少なくない。特に地域に根ざしたインディペンデントな活動を続けるミニシアターが、大きな打撃を受けていることは想像に難くないだろう。4月に入ってからは、京阪神の映画館による「Save our local cinemas」プロジェクト、政府に対して緊急支援を求める要望書への署名を募る「#SaveTheCinema」など、業界全体の連帯の動きも活発化し、本日4月13日からは映画監督の深田晃司と濱口竜介が発起人となって立ち上げられた「ミニシアター・エイド基金」のクラウドファンディングがスタートする。この記事では、いくつかの劇場スタッフの声と、海外の事例を紹介。今、映画館のために出来ることを考えたい。

ミニシアターから届いた声。「上映の主役は一人一人の観客」「再開したら映画を観に来て」

CINRA.NET編集部では、シアター・イメージフォーラム(東京)、ポレポレ東中野(東京)、横浜シネマ・ジャック&ベティ(神奈川)、シネ・ヌーヴォ(大阪)の4館に取材。「現在の状況」「政府や行政に求めること」「映画館支援として一般の観客に出来ること」の3点について、いただいたコメントを紹介する。

シアター・イメージフォーラム 山下宏洋
<一般の観客に出来ること>
一般のお客さんに言えることは、通常運転できるようになった際には、また見にきてください! ということしかないです。今回のことを機に、映画館で映画を観るという体験がより大事な得難いものなのだと改めて認識しなおしました。再開の際には、映画館でじっくり十全に映画を味わってもらいたいです。劇場としても、そのような場を提供することを改めて心がけていきたいと思います。
ポレポレ東中野 大槻貴宏、小原治
<現在の状況>
映画を観て下さるお客様の健康と安全が脅かされぬよう、コロナウイルス感染拡大の予防策として、アルコール消毒液の設置、スタッフや登壇者のマスク着用、場内の換気の徹底、座席間隔を空けるために座席数を半分にするなどの措置をとりながら営業を続けていました。しかし、緊急事態宣言が出されたことにより、当館も当面の間休館することにしました。当館含め、今は全国どの映画館も経営上非常に厳しい現実に立たされていますが、日々ひっ迫する医療現場の崩壊を防ぐためにはやむを得ないと判断しました。営業再開時期は5月上旬を見込んでいますが、状況を見ながら随時判断し、詳細が決まり次第、当館HPやTwitterなどでお知らせします。(ポレポレ東中野スタッフ・小原治)

<政府や行政に求めること>
従業員の雇用、つまり給与の保障についてキチンと提示して欲しいです。彼らや彼らの家族の生活が大事、というのは勿論ですが、ミニシアターのような「表現」を商品にしている場所は、多くのスタッフそれぞれの意見が重要になります。みな好みや主義、家族構成も違う。その意見の多様性こそが映画館全体としての表現となり、ひいては表現活動全体の多様性に繋がる筈だろうと。そして、それが我々ミニシアターの役割だと信じています。独りでも運営は出来るけど、それでは意味が無いと思う。だから、なるべく多くのスタッフとやっていきたい(決して高給与ではありませんが笑)。なので、その人員(=財産)が減ってしまう状況が1番困る、という事を伝えたいです。(株式会社ポレポレ東中野代表・大槻貴宏)

<一般の観客に出来ること>
コロナウイルス感染拡大防止のため、上映を中止する作品があります。公開を延期する作品があります。それぞれの作品に葛藤があり、状況があり、判断があります。映画館は、こうして作品を提供してくれる作り手、配給、宣伝、その他様々な立場の方に支えられている場所です。そして、上映の主役は一人一人の観客です。休館中の映画館は上映の主役を失った状態といえ、観客が安心して映画館に映画を観に行くことが当たり前だった日常を思えば、これは異常事態です。その一方で、映画館で映画を観る面白さや醍醐味について改めて考えてみる機会にもなるのではないでしょうか。映画館で映画を観ることとは別の方法で、映画が育まれる期間だと思います。その先に再び訪れるかけがえのない日常に向かって当館も経営を続けていくため、皆様に支援をお願いしております。オンラインショップを開設しましたので、お力添えをいただければ幸いです。(ポレポレ東中野スタッフ・小原治)

横浜シネマ・ジャック&ベティ 梶原俊幸
<現在の状況>
コロナウイルスが猛威をふるい始めてからも、客数はかなり少なくなっておりましたが、暮らしの中に映画・映画館がある常連さんのお客様がお越し下さっていたので、席数制限や衛生面の配慮等をしながら、営業を続けてきました。しかし4月7日の緊急事態宣言を受けて、苦渋の決断ですが休館を決めました。給付金や補償、スタッフの休業補償などが不明確な中、1か月程度の休館になることや、再開後にすぐにお客さんが戻ってくるのかなど、今後の運営には不安があります。しかし、そのような状況に「SaveTheCinema」や「ミニシアター・エイド基金」の話があり、とても心強く思っております。

<一般の観客に出来ること>
当館のお客様にも応援をいただけないかと思い、ネットショップにて「〈コロナを乗り越えたい!〉お名前スクリーン上映&劇場鑑賞券」の販売を開始しました。開始してからわずか1日半ほどの段階で、既に約800人の方にご購入をいただき、スタッフ一同、感謝の気持ちで一杯でございます。

シネ・ヌーヴォ 山崎紀子
<現在の状況>
多くのミニシアターが常に自転車操業だと思います。日々の映画鑑賞料金の収入でなんとか、運営している中で、入場者数大幅減・休館と、収入がなくなった時の蓄えがありません。収入が少なくなっても開けざるを得ない映画館も多く、辛い立場にあると思います。

<政府や行政に求めること>
存続するための助成金対応。具体的には家賃などの固定費です。人件費は雇用調整補助を利用したいと考えています。

<一般の観客に出来ること>
全国のミニシアター支援が立ち上がっています。全国の瀕死の映画館を助けようとたくさんの方が関わり、たくさんの方が支援してくださっています。大きな力を感じています。本当にありがとうございます。

不安なことは、一度休館すると、お客さんはなかなか戻ってきくれません。どの映画館も潰れないように頑張るので、再開した暁にはたくさん映画を観に来て欲しいです。

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April 13, 2020 at 10:29AM
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