中国では都市開発やインフラの建設需要を受け、ミニショベルのニーズが急速に高まりつつある。日立建機はこれまで評価されてきた品質や性能を確保しつつ、運転室内の快適化やコストパフォーマンスといった中国市場の期待に応える土木専用ミニショベルを開発した。
日立建機は2020年2月18日、中国の現地法人でこのほど、中国市場向けの土木専用ミニショベル「ZX60C-5A」を開発し、2月から中国国内で、50台限定で発売するとともに、テストマーケティングをスタートした。
一部に中国製部品を採用し安価に
今回開発した土木専用ミニショベルは、日立建機が収集した市場ニーズを踏まえ製品戦略を立案し、中国でミニ・油圧ショベルなどの開発・製造を行う現地法人と、日立建機グループのコンパクト事業を担う日立建機ティエラが共同開発した。
新型機は、ミニショベル開発でのVE(Value Engineering)活動を通じて得た知見を中国にマッチする形で生かした機種になっている。
スペックと構造は、道路工事などの都市土木に最適で、操作性に直接的な影響が少ない運転室内の機器と油圧ショベルに取り付ける油圧機器の一部部品は、日立建機の品質基準を満たした中国メーカー品を採用することで製品価格を抑えている。
さらに、従来のミニショベルに比べて、広い運転室を採用することで作業視野や快適性、高い安全性を確保している。車体のフレームに用いる構造部材には、1クラス上の製品を使用することで高い耐久性を実現。音響設備などは購入後に顧客が選べる仕様だ。
ZX60C-5Aの輸送時寸法は、全長5880×全幅2060×全高2470ミリで、重さは5400キロ。バケット容量は0.19立方メートル。後端旋回半径が1650ミリ。エンジン出力は28.1キロ・ワット。
なお、今回の土木専用ミニショベルは、テストマーケティングのために開発した製品で、2020年3月9日時点で、量産モデルの発売時期や価格は未定だ。
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